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沖縄中部の「へんな」公民館に、古き良き「昭和」が残っていた

河原 良成

河原 良成

2016.06.18 11:00
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かつては「長寿県」として知られていた沖縄県。しかし、男性に限ってみると、それはいまや昔の話。厚生労働省のサイトによると、女性の平均寿命ナンバーワン都道府県は沖縄だが、男性は25位に転落している。平均寿命の男女差では、沖縄がワーストワン。そして、筆者の住むうるま市の統計によると、うるま市の男女の早世(65 歳未満)死亡率が 18.2%となっており、言い換えると約5人に1人が65歳以下で死んでいることになる。

そのため、うるま市では40~74歳を対象にした「国民健康保険特定健康診査」というものを実施していて、筆者も先日最寄りの公民館で行われた集団検診に行ってきた。

検診を受けた公民館(以下、筆者撮影)

検診を受けた公民館(以下、筆者撮影)

公民館の名前からしてユニーク

筆者が訪れた公民館の名前は「平安名」公民館で読み方は「へんな」。「どこの公民館に行ったの?」と尋ねられると、「へんな公民館に行ってきたよ」という回答になる。中に入ってみると、タイムマシーンで昭和の時代に後戻りしたような雰囲気。床やパイプイス、事務所、トイレのつくり、壁、そのどれを見ても、筆者の小学時代を思い出させるものばかりだ。

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後ろの壁を見ると「平安名区長寿者番付」の一覧が貼られていた。

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アップで見てみると、トップは100歳のトヨさん、チヨさんの二名。この「長寿者番付」を見て最初に気づいたのは、シンプルなカタカナのお名前の方々が多いということ。91歳から100歳の方々は大正生まれ、86歳から90歳の方々は昭和の一桁生まれだが、そのほとんどの名前がカタカナ。分かりやすくていいですね。

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昭和の最初の5年間には、「ヨシ」「カツ」「ツル」「トヨ」と命名することが流行っていたようだ。わたしのニックネームは「ヨシ」で、私と同世代でも「ヨシ」と呼ばれている日本人は結構いるものの、この21世紀に「カツ」「ツル」「トヨ」と呼ばれている人は、そう多くないかもしれない。

もう一方の壁には...

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「長寿者番付」に対して、隣の壁には生まれた赤ちゃんたちの名前が貼られている。こちらを見ると、大正生まれのカタカナの名前と比べて読み方に苦労する漢字ばかり。私のように本州からの移住者にとっては、沖縄の苗字でも読み方で苦労するので、フルネームとなるとかなりハード。

集団検診では、手際よく、かつ待ち時間をできるだけ最小にするために、番号札などが用いられ、非常に良く組織されていた。看護師さんたちもとても親切。

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おもしろいなと感じた表示は「がん受付」。

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ここは一体何を受け付けるのだろうか、尋ねる暇もなく、外にあった胸部レントゲンのバスへ案内される。

バスの中での検診は、特に昭和を感じさせるような印象は何もなく、あっという間に集団検診が終わった。

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今回、集団検診という目的で訪れた「平安名公民館」。上記の画像の右側にある、建物の壁に掲げられていた女性のポスターも、恐らく昭和の時代からそのまま動かされていないと予想する。台風にも負けず数十年もの間、公民館の壁にしっかりと掲げられているこの女性はいったい何者なのだろうか。

全く何の期待もせずに行っただけあって、この公民館で受けたインパクトは大きかった。もちろん、良い意味でのインパクトだ。タイムマシーンに乗って昭和の時代に戻りたい人には、是非この「平安名公民館」を訪れることをお勧めする。

河原良成

今回の筆者:河原良成

世界数か国で生活した後に、40代で二児の父親となる。子育てのため沖縄に移住。現在、好きを仕事にするため、マリーン事業「沖縄サーフガイド」を営んでいる。
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