大学芋、実は「東大」発祥? 今も売ってる「元祖」を赤門前で食す
からっとした表面ながら、中はホックホクの「大学芋」。定番のおやつで、好物としている人も多いだろう。

そんな人気のお菓子だが、名前の由来はよく知らない。そもそもどこの「大学」なのか。気になったJタウンネット記者は、発祥の地を探してみた。
とりあえず「広辞苑」を引いたけど...
手元の「広辞苑第六版」で、大学芋の項目を引いてみると、
「一説に、大正から昭和にかけて、学生街で好まれたことからの名」
と、きわめてアバウトに書かれている。これじゃあ足りない。
「おいもやさん興伸」を展開するサツマイモ問屋、川小商店の公式サイトを見てみると、諸説あるとしながらも、
「諸説ありますが、甘味の不足した時代に東大赤門近くの本郷にあった定食屋さんのおばちゃんが、学生に甘いものを食べさせてあげたいと考案したもの」
との説が書かれていた。どうやら「大学」とは、東京大学のことらしい。

さらに調べてみると、東京都台東区に「元祖大学いも」を冠したお店があることがわかった。三ノ輪と吉原の間に位置する「味の良三郎」。さっそく大学芋(100グラム190円)を買ってみると、包み紙に「由来」が書かれていた。

それによると大正初期、東大・赤門前に「三河屋」なる氷屋があり、そこでサツマイモを揚げて、蜜にからめたところ、教授や学生から「大学いも」と親しまれるようになった。すでに赤門前に「三河屋」は現存しないが、そこで修業した初代・良三郎氏が店をおこし、いまも三代目が「元祖 大学いも」を守っているのだそうだ。

赤門前で食べてみよう

定食屋か氷屋かの違いはあれど、どうやら「三河屋」がルーツとして有力なようだ。ぜひとも「元祖」を発祥の地で食べたいと、電車を30分ほど乗り継いで、赤門前へやってきた。赤と黄色のコントラストがちょうどよい。


赤門の真ん前には、いまナチュラルローソンがある。残念ながら大学芋は見当たらなかったが、「干しイモ」ならあった。店内にはイートインコーナーもあるので、みたらし団子のタレなんかとからめたら、三河屋気分が味わえるかもしれない。


ちなみに名前の由来としては、三河屋説以外にも「東大生が学費捻出のために売り出した」「学生街(神田や高田馬場)で好まれていたから」といった説がある。また関西では「中華ポテト」とも呼ぶらしい。これらについても、今後調査を進めていきたい。