15周年を迎えたウィキペディアが、地域振興の主役になるかもしれない(後編)
公的機関もウィキペディアの可能性に注目
これらの取り組みは、基本的に地域の有志が主体となって、ボランティア的に行われているものだ。一方、公的機関との連携も進みつつある。
特に関西で開催されているウィキペディアタウンでは、自治体との積極的な提携や、図書館からの資料提供など、公的機関からのバックアップも受けながら、活動が展開されている。特に図書館とはウィキペディアの性質上、相性がいいこともあり、2015年7月には、国立国会図書館関西館を会場とした「ウィキペディアタウン in 関西館」も行われた。
地域の情報を持つ行政や図書館。地域・社会貢献を志す個人やグループ。オープンデータなどを扱う、オンライン上の各種プロジェクト。そして何より、地域の住民たち。これらの結節点として、ウィキペディアは機能できるポテンシャルを持っている(これだけ多くの人に見られていて、オープンなサイトは他にない)。
「15周年を迎えたウィキペディアが、地域振興の主役になる」。まだそれは「かもしれない」だが、20周年のころには、もはや「当たり前」になっている......かもしれない。