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15周年を迎えたウィキペディアが、地域振興の主役になるかもしれない(後編)

竹内 翔

竹内 翔

2016.02.03 11:01
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地域の「記憶」を呼び起こす機会にも

こうして発掘された写真は、ウィキペディア上で活用されるのはもちろんのこと、オープンライセンスのため、さまざまな場面への「横展開」が可能になる(この点ウィキペディアは、他のデジタルアーカイブより柔軟である)。

二子玉川のプロジェクトでは、イベント「大山みちフェスティバル」でのパネル展示や、地元で配布されているリーフレットなどで、すでにこれらの写真が利用されている。

昭和50年代。現在は二子玉川ライズとして再開発された一角(作者:大勝庵・玉電と郷土の歴史館 大塚勝利、Wikimedia Commonsより、CC BY-SA 4.0)
昭和50年代。現在は二子玉川ライズとして再開発された一角(作者:大勝庵・玉電と郷土の歴史館 大塚勝利、Wikimedia Commonsより、CC BY-SA 4.0)

実用的なメリットだけではない。人々が集まり、写真を撮ったときの状況やそれにまつわる思い出を語り合うことは、地域の記憶を呼び覚まし、住民たちのコミュニケーションを深める側面もある。また若い世代や、近年引っ越してきた住民たちにとっても、こうした古写真に触れることで、地域に対する愛着を深める機会になるかもしれない。両者の交流の場を作るためにも、高橋さんは「アーカイブした写真の活用方法をさらに模索していきたい」と語る。

似たような活動を自分の地域でしてみたい、という人には、何が求められるだろうか。

「個々の地域に即した運営方法や工夫があると思いますので、あまり『こうすべき』とは言いたくないのですが、まずは自身でやってみながら、順次『地域に合ったやり方』を探っていく方が良いのかもしれません」(高橋さん)
個々の活動という点を、線でつなぐ
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