もんじゃの「土手」実は作る意味ない? 月島の職人も「味変わらない」と断言、ただし...
2015.12.17 06:00
月島の職人に聞いてみた
詳しい事情を、本場・月島のもんじゃ焼き店主らが設立した「月島もんじゃ振興会協同組合」に聞いてみた。同組合で広報を担当している「海鮮もんじゃ けい」の店主に「土手を作る理由」を尋ねてみると――、思わぬ答えが帰ってきた。
「もんじゃの土手を作るのに、とくに意味はないんですよ」
な、なるほど。しかし、「意味がない」とは一体どういうことなのか。その理由を聞いてみると、
「土手を作るのは、昔の名残ですから。かつては鉄板にフチがなく、テーブルとの間にスキマがあったんですよ。だから、土手を作らないと大変なことになったんですよ。だから、フチのある今の鉄板でしたら、べつに土手を作る必要はありません」
という。
そもそも、生地が床にこぼれないための「工夫」として生まれたのが、ドーナツ状の土手だという。そのため、土手の有無で「味」が変わることはほとんどないそうだ。
しかし、作る意味がないからといって、簡単に無くしてしまえばいいものではない。長年月島でもんじゃを作り続けているという店主は、以下のように言い添えた。
「生地が土手からこぼれてしまい大騒ぎしているお客さんの声を聞いていると、こちらとしても楽しい気持ちになります。そういう下町ならではの『遊び心』として、やっぱり土手は欠かせないものだと感じますよ」