「都会から移住した若夫婦。『村八分にされてる!これだから田舎は!』と主張するけど、おかしいのは...」(兵庫県・50代女性)
田舎暮らしに憧れ、地方へと移住した若い家族。最初は歓迎されていたが、独特の「濃い」人間関係、陰湿な噂話などに疲れ果て、とうとうささいなトラブルから「村八分」に追い込まれてしまった――。
このコーナーで過去、そんな体験談を取り上げたことがある。「やっぱり田舎って怖い......」そんな感想を持った人も多かっただろうが、では逆に、元々の住民の目には、その振る舞いはどう映っていたのだろうか。兵庫県のXさん(50代女性・会社員)から寄せられた投稿は、よく似た話を、地元の人々の目線から追ったものだ。
周りとあまり付き合おうとしない夫婦、そして
隣県の実家で一人暮らしをしている、うちの母から聞いた話です。あまり、後味のよくないエピソードなんですが......。
うちの実家は、古い一軒家と小さな畑が交互にあるような、昔ながらの住宅街です。うちも含め、住民のほとんどは何十年もここで暮らしている人ばかり。
ところがある日、その一角(実家のちょうど南隣です)に、真新しい一戸建てができました。引っ越してきたのは、30代前半くらいの若い夫婦です。この町には縁もゆかりもなく、どこからかの紹介を受けて関東からこちらに移住してきたのだとか......。
猫を大勢飼い始めて、周囲との摩擦が...
母を始め、周囲にはいささか戸惑いもあったようですが、せっかく引っ越してきたのだから――と、できるだけ気を遣い、新しい住民を歓迎したそうです。ところが夫婦の反応は冷淡で、近所の人々ともほとんど付き合おうとしませんでした。
引っ越してしばらくしたころ、夫婦は猫を飼い始めました。それ自体はそう珍しいことでもなかったのですが、いつの間にかその数が増えていき、気が付くと10匹近くに。それだけの猫をしかも、夜以外は放し飼いにしているのです。
当然、問題は糞やオシッコです。特に畑の土は、猫たちに格好のトイレにされてしまいました。うちの母も猫は好きですが、これだけの数に家庭菜園をさんざん荒らされては、さすがに我慢できません。同じ悩みを持つご近所さんと話し合い、町内会長さんを通じて苦情を伝えてもらうことにしました。
「田舎は陰湿だ!」と突然キレた
ところが、町内会長さんに対して、夫婦から返ってきたのは、「悪いのはあんたたちだ」というまさかの答えでした。
「いつも無視してろくにあいさつもしてくれない、みんなでやりとりしている野菜もくれない! そうやって村八分にしておいて、猫にまでケチをつけるのか! これだから田舎は陰湿だ!」
ですが、母たちに聞くと事情はどうも違います。たとえばあいさつは、引っ越した当初こちらが積極的にしていたのに、向こうがほとんど相手にしてくれないものだから、する人が減っただけの話です(それでも、半分以上のお宅は普通にあいさつをしていました)。
そして消えた猫たち。どうなったの
野菜のやりとりも、作っている人間同士のおすそ分けとしてやっていることです。それでも母などは最初、積極的に差し上げていたのですが、ほとんどろくにお礼も言ってくれずただ受け取るだけだったのでやめてしまった――と、まあただそれだけの話なのです。
それを「村八分だ」などと騒ぎ立てたものですから、いよいよ本当に夫婦とお付き合いする人はいなくなってしまいました。今まで我慢していた猫たちも、みなさん公然と追い払うようになり、中には糞をまとめて夫婦の家に放り込む人まで出ました。
すると数カ月後、あれだけいた猫は、1匹を残してみんないなくなってしまったのです。知り合いにでも引き取ってもらったのか、それとも......。
今も夫婦は同じ場所に住んでいます。
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