あなたが「つけ麺」最初に食べたのは何年前? 回答に見る東西の受容「時間差」
関西では食べ始められたのはやっぱり最近?
後述するウェブサイト「つけ麺文化研究所」によれば、山岸さんがつけ麺の提供を始めたのは1955年。
その後1970年代に、「元祖中華つけ麺大王」による全国展開やハウス食品による商品化などが行われたが、この流れは一時停滞する。1980~90年代に、大勝軒の系譜を引く店などを中心に広がりを見せ、2000年ごろから「ブーム」が巻き起こった。そしてここ10年ほどで、一般的に食べられる「国民食」の地位を獲得したといえる。
こうした歴史を踏まえると、「もっと前から」「20年以内」とした人はブーム前、あるいはブーム勃興期から親しんでいたつけ麺界の「アーリーアダプター」、「10年以内」より後は平均的な受容者といっていいだろう。
これを踏まえて、地域別の傾向を見ていこう。
つけ麺ブームの震源地となったのは東京と埼玉だ。
大勝軒の本店が池袋だったことからすれば当然といえるが、行列のできる店として有名な「青葉」(中野)、「頑者」(川越)、「六厘舎」(大崎→東京駅に移転)、「やすべえ」(高田馬場)なども東京または埼玉で開業した。
両都県における「(20年より)もっと前から」の得票率は26.0%と、全国平均を上回る。「20年以内」に投票した人も22.1%いた。一方、「食べたことはない」の得票率は10.7%だった。
関西地方はどうだったかというと、「(20年より)もっと前から」の得票率は14.9%にすぎない。そして「食べたことはない」が25.4%の得票を集めた。近畿にも愛好者はもちろんいるだろうが、つけ麺に対するボルテージは東京・埼玉よりも低そうだ。
下の図表は、福井-岐阜-三重以東の「東日本」と、京都-滋賀-奈良-和歌山以西の「西日本」の得票率を比較したもの。1ケタしか投票のなかった県が多くあり、細かな傾向は出せなかったが、つけ麺が日本の隅々に浸透しているとはまだ言い難い。