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「ねぶた」と「ねぷた」、何が違う? 地元民「ごつごつしてんのがねぶた、のぺーっとしてんのがねぷた」

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.08.03 15:46
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ねぶた祭り(柏翰 / ポーハン / POHANさん撮影、flickrより)
ねぶた

東北の夏を彩る風物詩、青森県の「ねぶた(ねぷた)」祭り。武者などを模した豪華絢爛な燈籠を載せた山車が、大勢の参加者とともに街を練り歩く姿が有名で、日本人なら「誰でも知っている」祭りといっても過言ではないだろう。

けれども、「ねぶた祭り」と「ねぷた祭り」は全く別のものだということ、知っている人は少ないのではないだろうか。

青森県民「ねぶたとねぷた、混同してる人許せん」

「ねぶた」や「ねぷた」という名前を冠する祭りは青森県内にいくつもあるが、今回はそれぞれの代表格、青森市の「青森ねぶた」と弘前市の「弘前ねぷた」の2つに絞り、その違いをまとめてみた。

「青森ねぶた祭り」:立体的な歌舞伎風の人形灯籠が中心で、掛け声は「ラッセラー」。例年8月2日から7日まで開催される。一般的に「戦勝の祭り」とされており、「跳人」と呼ばれる踊り手の激しい動きから「動の青森」と表現されることもあるようだ。ちなみに、かつて「カラス族」など参加者のマナーが問題視されたのは、こちらの祭り。1980年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
「弘前ねぷた祭り」:平面的な扇形の燈籠が中心で、掛け声は「ヤーヤドー」。例年8月1日から7日まで開催される。「出陣の祭り」とされており、青森ねぶたと比較して「静の弘前」と呼ばれることもある。山車の運行数は県内最多で、およそ80台にも達するという。こちらも、青森ねぶたと同時に国の重要無形民俗文化財に指定されている。

地元民なら分かって当然のこの違いも、他県民にとってはあまり馴染みがないもの。そのため、2つの祭りを混同してしまう人も多いという。ネット上にも、「ねぶたとねぷたってどっちが正しいのかな?」「ねぷたなのかねぶた、どっちなんだ?」といった書き込みがみられた。

実のところ、このような混同に「イラッ」としている青森県民も少なくない様子だ。以下に、地元民とみられるユーザーが寄せたツイートをいくつか紹介しよう。

祭りの起源は、「青森ねぶた」と「弘前ねぷた」どちらも同じものだと考えられている。全国にも多くある「灯篭流し」が変化した祭りという説が現在の主流で、もともとは睡魔と言う意味の「眠(ねぶ)た」を飾り物と一緒に海や川に流す行事だったという。時代とともに祭りの形式も変化し、江戸時代後期から明治時代にかけて、現在のように大型の燈籠と山車を使ったものが定着していたようだ。

しかし、なぜ「ねぶた」と「ねぷた」、2種類の呼称が存在するようになったのだろうか。その理由は、地域による「なまり」の違いである。

語源はどちらも同じ「眠(ねぶ)たし」だったが、なまり方の違いから青森を中心とした北津軽や下北の幅広い範囲では「ねぶた」、弘前を中心にした津軽方面では「ねぷた」と発声するようになったという。また、呼称の違いに加えて、青森市を代表する「ねぶた」、弘前市を代表する「ねぷた」など、地域ごとの差別化を図る目的から、表記も別の物に変わっていったという。

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