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弘前市の動画「連続移住小説 ヒロとサキ」はこじらせ系まぶしい朝ドラ風作品

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.07.27 13:00
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青森県津軽地方の中心である弘前市は、城とリンゴで有名な町だ。人口のピークだった1995年は20万人近くの住民がいたが、現在は約17万6000人まで減少している。
6大学もあって学生が多い町なのに、仕事を求めて毎年多くの若者が市外に流出している。

東京に住むU・Iターン希望者に対して「津軽に住みませんか?」と移住促進をアピールしたい弘前市は、動画「連続移住小説 ヒロとサキ」を制作・公開した。

NHK朝ドラを意識した!?

タイトルだけ見ると、NHK朝ドラを思い出してしまう。

総務省「全国移住ナビ」の弘前市のページ。真ん中の画像が「ヒロとサキ」の1シーン。
総務省「全国移住ナビ」の弘前市のページ。真ん中の画像が「ヒロとサキ」の1シーン。

一方で、登場人物の設定は妙に「こじらせ感」がある。

主人公のヒロは、美大を出て現代美術のアーティストになった男性。もじゃもじゃの髪に薄いヒゲ、ネルシャツで、雰囲気イケメンになりそうでならない感じがそれっぽい。住んでいるのが東京・下北沢というのが、さらに拍車をかける。美術学校の講師を務めたり、個展を開いたり、賞に出品したりと、そこそこ充実した活動をしているものの、気が付けば30代半ばだ。「先が見えない」焦燥感に駆られていた。
そんなヒロが3年半同棲している相手がサキだ。食品メーカーに就職したものの、料理が好きなあまりパン職人に。そろそろ30歳になる。

でも弘前に移住したらうまくいくよ

そんなある日、とうとうサキがヒロの元を去ってしまう。とうとう捨てられたのか、失意のヒロの元へ手紙が届く。そこに書かれていた「弘前で待っています」という言葉。実はサキは、「空気も水もおいしいところで、パンを作りたい」という夢をかなえるために、故郷にUターンしていたのだ。手紙を見た彼も弘前に移り住む決意をした。

連続移住小説 「ヒロとサキ」1話(YouTubeより)

2話から舞台は弘前へ。岩木山が見える一軒家で一緒に生活を始める。ヒロはアトリエで作品づくりに没頭。サキは台所でアップルパイを焼く午後のひととき...。
「ヒロ~」(計7回)「サキ~」(計5回)と呼び合うシーンは少々くすぐったいが、それだけ弘前の生活が気に入っていて、ラブラブなのだろう。

連続移住小説 「ヒロとサキ」2・3話(YouTubeより)

3話は、市内を散策する2人を通して市内の様子を伝えている。都会的なセンスがするカフェやバーは、よそからの移住者が開いた店らしい。
その映像世界は、一瞬、無印良品の広告が飛び出てきたような錯覚に陥る。それもそのはず、使用されている音楽はトクマルシューゴの「Laminate」だ。
そんなにお金は稼げないかもしれないけれど、都会ではうまくいかない、小さな幸せを大切にしたい家族に弘前はおすすめですよ――そんなメッセージが込められている。

少々気になったのは、弘前名物の豪雪が出てこなかったこと。ヒロとサキが春夏秋冬をどう過ごすのか、続編を見てみたい。

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