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「クラウドファンディングで終わるつもりはない」 FAAVOが見据える「地方創生」、その真の目標は?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.04.26 11:00
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CFの枠を超えて、移住やU・Iターンでも貢献したい

――今後の目標を教えてください。
八木 まずは日本全国をカバーすることが一番の目標ですね。例えば私が最近まで住んでいた栃木県宇都宮市にエリアオーナーはいません。そういう状態はなくしていきたいです 先ほどの飛騨高山信用組合のような金融機関や、自治体との連携も強化していきたいと思っています。誰が運営母体になるかということも重要なので。

地方創生関連事業として、内閣府主導で「ふるさと投資」連絡会議という会議体が立ち上がり、クラウドファンディングのスキームを用いた地方の新たな資金の流れをつくるべく、現在「ふるさと投資」の手引きを作成中です。
もちろん、FAAVOも構成団体の一つとして参画しています。手引きとしての精度は高く、網羅性もあり、事例も豊富で素晴らしい仕上がりになるとは思いますが、これから課題となるのはこの手引きを地方にインストールできる翻訳者の存在です。
はじめて見る横文字やスキーム図、きっと簡単には腹落ちできないと思います。地方ごとに環境も課題も違うわけですので、事例そのものを真似するのではなく、参考にすべきはプロセスだったりします。
そういった運用上の課題が露わになるとき、弊社は地方発のプロジェクトを立ち上げる起案者を最大限フォローアップできる体制を整備し、「現地のフォローアップが優れているのはFAAVO」と言われる環境を作りたい。
※「ふるさと投資」とは、地域資源の活用やブランド化など、地方創生に資する取り組みを支える様々な事業に対するクラウドファンディング等の手法を用いた小口投資であって、地域の自治体や地域づくり団体の活動と調和が図られたものをいう。

――最後に、日本の地域の未来像をどうお考えでしょうか。
八木 この席にはいませんが、事業発起人の齋藤は次のように申しています。

「日本の人口が減少するなかでキーとなる存在は出身者だと思っています。人口移動する可能性が高いのは、I・Jターンよりも圧倒的に出身者ではないでしょうか。この出身者の存在がまだまだ軽視されているような状態で、地方から適切な情報が発信されていないように思います」

八木 実は先週、私の母校である今治市立美須賀小学校の閉校式でした。128年続いたのに学校からその情報は県外には発信されず、地元のタウン誌に掲載されただけ。恩師経由でその情報を知った私は、(1)母校が閉校すること、(2)閉校記念事業が行われることを自分のフェイスブックに書いて拡散したのです。
記念式典には私を含む卒業生が出席しました。有名な画家や地元テレビ局に出演するコメンテーターも来校して、大変に盛り上がりました。

そういう思いはお互い伝えた方がいいのではないでしょうか。地方は自ら情報発信することが必要になってきますし、それを欲する出身者は地元にアンテナを向けています。両者の距離をFAAVOというサービスで埋めていきたいです。

CF事業としてFAAVOを終わらせるつもりはありません。
我々は出身者とつながっているので、どこにどういう出身者が何人いるかを可視化できると、それが地方創生における人の動きの情報ソースになると思っています。
入口としてはCFかもしれませんが、今度は実際に足を運んだり、移住もしくはUターン・Iターンといった形につながる可能性もある。
「出身地と出身者とをつなげる」というコンセプトの下に、地方創生のなかでキーになる存在になりたいですね。

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