このままでは式年遷宮できない...！ 下鴨神社がマンション建設を決めた懐事情
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年3月3日放送で「下鴨神社にマンション建設」について取り上げていました。
京都にある世界遺産の下鴨神社に、なんとマンションが建つそうです！
マンション用地は、世界遺産の区域からは外れているものの、神社の境内で「糺の森」に隣り合う土地で、面積はおよそ9600平行メートル。マンションは2015年11月に着工し、2017年2月に完成する予定です。
建設予定のマンションは鉄筋コンクリート3階建てのものが8棟、全部で107戸で、富裕層向けの高級分譲マンションだそうです。下鴨神社はこの土地をマンション事業者に、50年間の期限付きで年間8000万円で貸し出します。
ではなぜ下鴨神社の中にマンションを建てなければならないかというと、"お金が足りないから"なんです。
遷宮にかかる費用が高くてお金が足りない！
下鴨神社では、2015年4月27日に「式年遷宮」が行われます。下鴨神社の式年遷宮は21年に1度行われる、建物を新しくする"宮移し"の行事。
建物を常に美しく保ち、技術を伝承していく意味があるのですが、実はとってもお金がかかるそう！
式年遷宮にかかる費用はおよそ30億円で、そのうち国の補助金でまかなえるのはおよそ8億円で、さらに企業などからの寄付金はおよそ10億円です。
つまり不足しているのはおよそ12億円になります。
年間8000万円のマンション用地の賃料で割ると15年で不足分を埋められる計算になります。ちなみに賃料は式年遷宮の費用以外にも文化財の保護などに使われるそうですよ。
伊勢神宮が「お伊勢参りブーム」を巻き起こしたイメージもあって、式年遷宮というとおめでたい話という印象が強かったのですが、やはり相当お金がかかるのですね......。なんとなくリーマンショック以降、企業からの寄附も減ったとのことで、世界遺産と言えども大変なようです。（ライター：ツカダ）