「階下の住人から『うるさい!』と苦情。謝りに行ったら『えっ?』」(神奈川県・30代主婦)
子育て家庭を悩ませるのが、「子どもがうるさい!」という周囲からの苦情。以前にもそんなケースを紹介したが、今回の場合はちょっと変わったパターンだ。
話は、神奈川県在住のV菜さん(30代・主婦)が、階下の住人から「うるさい」と苦情を受けたところから始まる。
不動産会社を通して苦情が...
マンションの最上階に住んでいたときのことです。
そのころ、まだ2人の子どもたちはどちらも5歳にもなっていませんでした。普段はビデオを見せたり、リビングのソファの上で遊ばせたりしていたのですが、その日は和室で遊んでいました。とは言っても、そこまで走り回ったり飛び跳ねたりしていたわけではないはずです。
ところが夕方4時ごろ、急に電話が。なんだろうと思って出てみると、なんと相手は不動産会社。何かと思うと、
「下の階の方からつい先ほど、子どもの声や足音がうるさいと連絡が来ました」
えっ、そんなに騒がしくさせたつもりはないんだけど――とは思ったのですが、相手にご迷惑をかけたのは事実です。ひとまず子どもに注意して、和室で遊ぶのをやめさせました。
その階下の方ですが、実はこれまでほとんどお付き合いがありませんでした。引っ越しの際に挨拶をしたのですが、その時に出てこられたのは非常に大人しそうな女性の方で、「どうぞよろしくお願いします......」以上のことは何も話さずにそれっきり。ご主人の方も、なんでも大きな会社に勤めているらしい、という話は聞いていたのですが、すれ違っても会釈ぐらいしかなされないですし、会話は1度もありませんでした。
そもそも夫婦どちらもなぜか、あまり家にはおられないようです。
とはいえ、あんな電話があったということは、もしかすると相手はこれまで相当我慢をしていたのかもしれません。気をつけていたつもりですが、私は非常に申し訳なくてたまらなくなりました。
電話の主は一体誰?
翌日、ちょっとしたお菓子を持って子どもたちと一緒に、緊張しつつお詫びに行きました。ところが出てきたのは、以前お会いしたのとは明らかに別の、元気そうなおばさんです。少し驚きつつも、
「昨日はうちの子どもたちがうるさくしてしまって、申し訳ありませんでした......」
すると、もっと驚いた顔をしたのは向こうです。
「えっ!? なぁに、それ?!」
「えっ」
事情を話すと、ようやく流れが見えてきました。
実はこの部屋は、件の夫婦にとっては「別宅」。滅多におられないのはそのせいだとか。そしてこのおばさんは、不在の間、家の管理などを任されている親戚の方なのだそうです。
ところが昨日は、その息子さんがたまたまこちらの家に1人で来ていました。なんでも息子さんは浪人生で、受験も近いのですが家や予備校ではなかなか集中できず、逃げ出すように別宅へやってきたとか。
ところが、上の階からは子どもの声が。気の張りつめていた息子さんはカチンと来て、不動産会社に電話した――とまあ、そういう話だったのです。
「こんな小さいお子さんが2人もいるんだから音が出て当然よ!」
事情を聞くと、私はますます申し訳ない気分になりましたが、おばさんは、
「こんな小さいお子さんが2人もいるんだから音が出て当然よ! あの子もまったく電話なんてして!」
とかえって、私たちのために怒ってくれました。
「子どもを育てることがどんなに大変かちゃんと言っておくから。それに普段はほとんどいないから気にしないで遊ばせてあげなさい!」
その後、ご主人にもお会いした際にお詫びしたのですが、「いいですよ、気になさらないでください。こちらこそ失礼いたしました」と笑顔で言ってくれました。とっつきにくい印象とは裏腹に優しい方だったので、私は申し訳ないやらほっとするやら......。
結局それからそうしないうち、子どもができるだけ気兼ねしないで済むように、私たちは郊外の一戸建てに引っ越しました。階下のご一家も笑って送り出してくださいましたが......それにしても、息子さんの受験がうまくいったことを祈るばかりです。
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