お雑煮のもちを「焼く」県、「煮る」県...その境界線が明らかに!?【年始特集「お雑煮」(2)】
大阪と京都に焼く派が多いのは、なぜ?
色分けされた地図では、東は焼く派、西は煮る派という傾向が明らかに見てとれるのだが、例外は大阪、京都である。焼く派が健闘しているのだ(京都では「焼く」が60%)。関西でも奈良はもともと焼く派ということだが、なぜ大阪と京都にこれほど焼く派が多いのか、予想外であった。
伝承料理研究家・奥村彪生さんの著書『聞き書 ふるさとの家庭料理5巻もち・雑煮』(農文協刊)を紐解いたが、ここでも大阪・京都は「煮る」文化圏に入っている。
近年、東日本から移動してきた人が多いのか? 奈良県の食文化の影響大なのか? 煮崩れるのを嫌って、焼く派がひそかに増えているのか? 何か事情をご存じの方がおられたら、編集部までご教示いただけると幸いだ。
また奥村さんの著書には、九州の一部の県で、「焼いて用いる地域が多く、煮て用いるのと混在地帯である」と記されている。本調査でも九州の中で、長崎県と熊本県が焼く派となっている。
最終回となる次回では、「おすまし」「味噌」など、汁の違いについて分析する。
お雑煮の汁=「おしるこ」な県もある! おすましだけじゃない地域差事情【年始特集「お雑煮」(3)】(3日公開)