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秋田で現在「舞妓さん」を募集中...いったいなぜ?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.12.10 18:31
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秋田市の企業が、ユニークな求人を出している。募集しているのは、「舞妓さん」。より正確には、「あきた舞妓見習い生」だ。

舞妓に興味がある人や舞妓になりたい人、秋田の魅力の伝道師になりたい人を求めているという。

舞妓といえば、なんといっても京都。なぜ秋田で舞妓なのだろうか。求人を行っている、株式会社せん(秋田市)に話を聞いた。

「株式会社せん」は2014年4月14日に設立された、秋田舞妓事業運営会社だ。代表取締役の水野千夏さんは1988年秋田県生まれ、26歳。

実は秋田市の繁華街・川反(かわばた)には戦前、200人の芸者がいて、他地方にもその名を知られていた。いわゆる川反芸者だ。ところが、戦後は次第にその数を減らし、ついにはその伝統は途絶えてしまった。水野さんはこの川反芸者を、「あきた舞妓」として復活させることで、秋田により多くの観光客を呼び込むことを目指して起業したという。

「会える秋田美人」というキャッチフレーズを掲げ、観光のスペシャリストとしての「あきた舞妓」を育成している。「お座敷遊びに呼ぶ旧来の芸者・舞妓の復活ではなく、秋田の新しい観光資源として、秋田美人の象徴として、さまざまなイベントで活用していきたい」と、水野社長は語る。

あきた舞妓(画像提供:株式会社せん)
あきた舞妓(画像提供:株式会社せん)

観光イベントに東奔西走

「あきた舞妓」がいったいどんな仕事をしているのか、フェイスブックに詳しく紹介されているので、その中から最近の例をいくつかご紹介してみよう。

10月27日は、秋田空港で秋田・ソウル国際定期便運航再開のお出迎えをしている。韓国からの旅行客を到着ロビーで出迎え、記念撮影などに協力した。

10月30日は、秋田県小坂町にある康楽館で開催された「全国産業観光フォーラムin秋田」に出席している。イベントが行われた康楽館は歴史ある劇場で、楽屋の壁にはかつて出演した役者さんたちのサインがびっしりと書かれているのを見て、感動したという。

11月13日から15日まで、埼玉県さいたま市のJR大宮駅で開催された「あきた産直市」に参加している。会場には秋田の美味・美酒がずらりと並んでいて、彼女たちは秋田の観光パンフレットを配ったり、秋田の観光地のご案内をした。

12月6日は、秋田県能代市の旧料亭「金勇」で行われたイベントに出席した。国の有形登録文化財にも指定されている趣のある建物で、お客の前で踊りを披露している。

目標は舞妓茶屋

見習い生を終えた舞妓1期生は、現在3人。彼女たちは同社の社員となっている。イベントなどの予定がない日は、デスクワークや、営業活動のため水野社長に同行することもあるらしい。もちろん踊りの稽古も欠かさない。1期生の他に、見習い生も数人いるとのこと。

「会える秋田美人」をテーマにスタートした「あきた舞妓」、なかなか順調に進んでいるようだが、水野さんにはまだ実現していない、大きな目標が一つあるという。いつでも「あきた舞妓」に会える場所、常設スペース「あきた舞妓茶屋」をつくることだ。

「あきた舞妓」に会うために、秋田に人が訪れる。そんな動機付けができれば、観光客はもっと来てくれるのではないか。そこで秋田の文化を見たり、お昼のお弁当を食べたり、秋田の地酒を試飲したりできる、そんなスペースの確保だという。

なお、冒頭に紹介した見習い生の募集要項は以下の通り。

・年齢18歳以上
・高等学校卒業資格保持者
・女性限定
・募集人数10名程度
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