電車内での食事はマナー違反? 都道府県別調査は意外な結果に...
北海道で「飲食NO」が多かった理由を考える
「ナシ」が多かった首都圏や愛知、大阪、兵庫、福岡。私鉄や地下鉄が発達していて、オールロングシート車両が主流だ。隣人に体が密着しやすく、食べくずは周囲に散らばりやすい。利用客は短時間で入れ替わる傾向にあり、落ち着いて食べるにはほど遠い。
これは大都市圏だけでなく、ローカル私鉄や路面電車、新交通システムが市民の足として活躍する地域にも当てはまる。長崎や鹿児島、沖縄で「ナシ」派が多数を占めたのもうなずける。
東京メトロの2014年11月のポスターは、車内飲食で周囲に迷惑をかけないよう利用者に訴えかけている。前年の9月ポスターも似たような内容だった。ほとんどの乗客はこの呼びかけに従っている。
飲食禁止を明言しているかというとそうでもない。2012年11月のポスターは「(食べた)ゴミは持ち帰りましょう」とうたっている。そもそも駅構内の売店では食べ物も売っているし、「まわりに迷惑をかけなければ飲食OK」とも読みとれる。
地方別でもっとも「ナシ」の得票率が高かったのは、意外にも北海道。「いかめし」や「かきめし」など有名駅弁が多く、利用者が少ない=車内が空いていそうな地域でこのような結果となったのは少々意外だ。
JR北海道はディーゼル車が半数以上を占める。「電車」といえば、もっぱら路面電車を指す言葉だ。
ちなみに、札幌市電の乗車ルールを定めた「交通事業電車乗車規程」第7条7項は「飲食又は喫煙をすること」を禁止事項としている。余談になるが、市の条例で地下鉄は「高速電車」と分類されている。
設問文が「汽車」や「列車」だったら、異なる結果が出たかもしれない。