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電車内での食事はマナー違反? 都道府県別調査は意外な結果に...

Jタウン研究所

Jタウン研究所

2014.12.05 07:00
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日本民営鉄道協会が発表した「2013年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング」によると、迷惑行為の総合1位は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」(35.3%)だった。
得票率9.9%で13位だったのが、「混雑した車内での飲み食い」だ。

車内での飲み食い、あなたはアリだろうか、ナシだろうか。

Jタウンネットでは2014年11月6日~28日の23日間、「電車の中で『食事』...アリ?ナシ?」というテーマでアンケートを実施したところ、延べ1437人に回答いただいた。

全国集計から見てみると、「ナシ」の53.2%が「アリ」の46.8%を若干上回った。

「ナシ」の得票率が高かった都道府県は、首都圏や名古屋、大阪・神戸、札幌、福岡など大都市のあるところが多い。

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一方で「アリ」ゾーンは、東北・甲信越北陸の日本海側、愛知を除く東海、中国、四国の西半分、九州中部にかけて存在する。

駅弁の激戦区だったり、県内を走る路線にオールロングシート車両が少なかったり、在来線特急のニーズが高いところだ。

車内のトイレ設置の有無も影響しているのではないか。短距離を除くJR車両にはたいていトイレがある。食事中または食後に便意を催しがちな人にとって、いざというとき便所に駆け込める安心感は大きい。こうした余裕があるから車内で食事をとる人もいるだろう。

栃木でアリが多いのは駅弁発祥地だから?

「アリ」の多かった地域をもう少し細かく見ていこう。

「東北」はアリが58.7%を占めた。東北といえば、日本有数の駅弁激戦区だ。とりわけ仙台は50種類以上の駅弁が販売され、その数日本一といわれる。

東北本線の通る「栃木」は、関東で唯一アリが過半数を占める。そういえば駅弁の元祖は宇都宮駅という説がある(参照:7月16日は「駅弁記念日」、4月10日も「駅弁の日」...なぜ2つも記念日が?)。

栃木県の最終結果

栃木県の最終結果

北陸本線を走る特急「サンダーバード」と「しらさぎ」は、今年9月末まで車内販売を実施していた。利用者から廃止を惜しむ声が挙がったのは記憶に新しい。富山や福井で「アリ」の得票率が高かったことと関係がありそうだ。

東西に長い静岡は産物が豊富で、三島・沼津の「港あじ鮨」、静岡の「慶喜弁当」、浜松の「うなぎめし」などおいしい駅弁が多い。ここからは仮説になるが、静岡は東海道の宿場町として発展した地域。旅人がご当地グルメを食べるのに寛容なところがあるのかも。

三重に至っては「アリ」が100%に達する。昨年3月に運行を開始した観光特急「しまかぜ」は、伊勢と大阪・京都・名古屋の3都市を結び、増発するほどの盛況ぶりだという。そのカフェ車両で提供する料理は食堂車黄金期を思わせる。

「しまかぜ」で提供するメニュー例(近鉄公式サイトより)

「しまかぜ」で提供するメニュー例(近鉄公式サイトより)

ちなみに、特急が停まる近鉄鶴橋駅のホームには、「日本で一番小さなファミリーマート店」がある。YouTubeに投稿されている動画をみると菓子パンやドリンク類などが大量に陳列されている。仮に駅構内や車内での食事を遠慮してくださいと言われても、我慢できない人はいるだろう。

近鉄。日本一小さいファミリーマート! Super Small Convenience store. family mart. Osaka/Japan(YouTubeより)

北海道で「飲食NO」が多かった理由を考える

「ナシ」が多かった首都圏や愛知、大阪、兵庫、福岡。私鉄や地下鉄が発達していて、オールロングシート車両が主流だ。隣人に体が密着しやすく、食べくずは周囲に散らばりやすい。利用客は短時間で入れ替わる傾向にあり、落ち着いて食べるにはほど遠い。

これは大都市圏だけでなく、ローカル私鉄や路面電車、新交通システムが市民の足として活躍する地域にも当てはまる。長崎や鹿児島、沖縄で「ナシ」派が多数を占めたのもうなずける。

東京メトロの2014年11月のポスターは、車内飲食で周囲に迷惑をかけないよう利用者に訴えかけている。前年の9月ポスターも似たような内容だった。ほとんどの乗客はこの呼びかけに従っている。

東京メトロ2014年11月のマナーポスター(同社公式サイトり)

東京メトロ2014年11月のマナーポスター(同社公式サイトよより)

飲食禁止を明言しているかというとそうでもない。2012年11月のポスターは「(食べた)ゴミは持ち帰りましょう」とうたっている。そもそも駅構内の売店では食べ物も売っているし、「まわりに迷惑をかけなければ飲食OK」とも読みとれる。

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東京メトロ2012年11月のマナーポスター(公益法人メトロ文化財団公式サイトより)

地方別でもっとも「ナシ」の得票率が高かったのは、意外にも北海道。「いかめし」や「かきめし」など有名駅弁が多く、利用者が少ない=車内が空いていそうな地域でこのような結果となったのは少々意外だ。

JR北海道はディーゼル車が半数以上を占める。「電車」といえば、もっぱら路面電車を指す言葉だ。
ちなみに、札幌市電の乗車ルールを定めた「交通事業電車乗車規程」第7条7項は「飲食又は喫煙をすること」を禁止事項としている。余談になるが、市の条例で地下鉄は「高速電車」と分類されている。

設問文が「汽車」や「列車」だったら、異なる結果が出たかもしれない。

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