重要文化財のうちなんと109件が「所在不明」...理由は?
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2014年11月18日放送で「所在不明の国の重要文化財」について取り上げていました。
最近、お寺にあった仏像などの重要文化財が所在不明になるケースが相次いでいるそうです。
きっかけは2013年10月、国の重要文化財の美術工芸品の一部が所在不明になっていることが発覚したこと。
これを受けて文化庁が重要文化財の所在確認調査を行ったところ、全1万524件のうち109件の所在不明が判明したそうなのです。
たとえば、京都府宇治市にある「地蔵院」では、釈迦如来像、阿しゅく如来立像、大威徳明王像の3体の重要文化財が、1991年に盗難に遭って以来所在不明になっています......。
そもそも国の重要文化財とは、有形文化財のうち"歴史上・芸術上の価値が高いもの"や"学術的に価値が高いもの"を文化財保護法に基づいて指定したものです。
ですが、保存や管理の責任は原則として所有者にあるので、防犯対策なども所蔵しているそれぞれの寺に委ねられているのが実情。
住職が常駐していない寺の収蔵庫から盗まれるケースもあり、文化財を保管する難しさが浮き彫りになっています。
価値のある文化財を盗難する被害が続出
大阪府能勢町にある今養寺は11世紀に創建されたとされる由緒あるお寺です。
今養寺では2010年に、重要文化財の大日如来坐像の盗難被害に遭いました。
この寺には35年前から住職がおらず、村人が持ち回りで管理をしていたそうです。
地元の方は、「仏像が盗られるなんて思ってもみなかった、力を合わせて守ってきた仏像なのでショックを受けている」と肩を落としています。
国の重要文化財に限らず、日本の仏像などは価値が高く、盗まれた仏像がオークションで売られていたというケースもあります。
文化財を盗んで転売し、利ざやを稼ぐという犯罪が増えている背景がある一方、その実態はまだ明らかになっていないようで、対策が急がれます。(ライター:ツカダ)