スーパーでも「ツケ」が通じる地域がある!?
[ドデスカ!-名古屋テレビ]2014年10月22日放送の全力リサーチのコーナーで、愛知県のお金がなくても生活できるという地域を調査していました。
お金を支払わない人続出!
生活するのに、お金が必要ない地域があるとのことで徹底リサーチしました。
この独自の風習があるのは本土から約3kmの愛知県南知多町の篠島で、住民約1700人、その多くが漁師という島です。
まずは地元の食料品店「アイランド」にカメラを設置させていただき、店内の様子を観察させていただくことに。
どこのお店でも見かけるように、商品にはきちんと値札がついていますが......。
お客さんが来店し通常通り買い物を終えるとレジにカゴを持ってきますが、財布を出すこともなく店員さんが袋詰めしてくれた商品をそのまま持って店を出てしまいます。
カゴを2つ以上持った大量買いのお客さんが来ても、同様に財布を出すこともなく平然と店を出ていきますが、一体どういうことなのでしょうか?
ガソリンスタンドでも 本当にお金は必要ないの!?
食料品店だけなのかを確認するためガソリンスタンドでも観察すると、やはり給油が終わると、そのままエンジンをかけて出発してしまいます。
本当にこの地域ではお金を払わず生活できるのでしょうか?地元住民の方にお話しを伺うと、皆さん「ツケです。」とのこと。
"「ツケ」とは代金を後払いする約束で、購入や飲食をすること(国語辞典)"
最近ではあまり見られない購入方法ですが、この地域では当たり前だとのことで、子供が買い物に行っても「ツケ」で購入できるそうです。
「ツケ」って誰でもできる?なぜ「ツケ」で生活しているのか?
実験のため1200円のしらす丼を堪能した番組スタッフがレジへ向かうと、「しらす丼2つで、2400円です」と店員さんに言われてしまいました。
「ツケ」ができるのは島民のみで、観光客などはできないとのこと。
南知多町篠島地区・区長会長の小久保成人さんにお話しを伺うと、島民の約7割が漁師というこちらの島では冬場など海が荒れると1~2か月収入がゼロということもあるそうです。
もともと漁師という職業は収入に波があり、お金のない時でも生活できるように「ツケ」という風習が広まり、田舎だから長く続いたのではないかとのことです。
ならばとお隣の日間賀島でも聞き込みをしてみると、日間賀島でも「ツケ」は日常的に行われているそうです。
トラブルは発生しないのか?
篠島のガソリンスタンドでは、月に100万円を超すこともあるとのことですが、トラブルなどはないのでしょうか?
食料品店でもガソリンスタンドでも、そんなことはありませんとのお答え。
では購入する側に「こんなの買ってないけど?」なんてことは?との質問にも、皆さん「ありません」とのお答えでした。
どちらも島の皆さんの信頼関係で成り立っているとのこと。島の人は皆家族だからとおっしゃる方もいらっしゃいました。
財布を持たずに生活できる島は、今は希薄になっていると言われる人間関係や、信頼関係が濃厚に築かれている心温まる島でした。(ライター:神谷祐美)
