人口減にあえぐ和歌山に、イオンモールはいかに切り込んだか
趣味系の専門店も充実
鉄道マニアにとって和歌山県は、訪れたいスポットが数多くある場所だ。
「たま駅長」で有名な和歌山電鐵は今年7月、鉄道施設が国の登録有形文化財に指定された。また旧国鉄時代から続くJRのデスティネーションキャンペーンは、1978年に和歌山から始まった。
モール内で活気のあったテナントの1つが鉄道模型の店ポポンデッタ。幼児を連れた親や高齢者で賑わっていた。
1階の専門店街には農産物直売所「産直市場よってって」がある。それぞれの農作物の生産者の写真と名前のプレートを壁面に掲示している。「生産者の顔が見える」を売りにしているのはそういう理由だ。地元で採れた野菜やかんきつ類、加工商品が中心のようだが、他県産品もあった。
S.C.の専門店というと全国展開している企業ばかりというイメージだが、「よってって」は同県田辺市に本社を置く。グルメ&フードゾーンの「紀州雑賀屋 笹一」も同市中之島で営業している。
消費者の立場からすると、S.C.に地域の人気店がもっと出店すればいいのにと思うが、零細商店にありがちな家族経営だと年中無休のS.C.に合わせるのが難しく、それがネックになっているのかもしれない。