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縄文時代、日本の首都は長野県だった!? 土偶とたい焼に隠された古代ロマン

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.09.22 20:06
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自分の生まれ育った場所へU・Iターンしたい、あるいは新たなふるさとを見つけてそこに定住したい――そんな移住願望者の悩みに答えるイベント、「ふるさと回帰フェア」が2014年9月21日に東京国際フォーラムで開催された。

全国約40都道府県、約300の自治体・NPOが移住相談コーナーを設置。展示ホールの自治体相談コーナーに1万721人、前夜祭やロビーギャラリーの見学者を含めると1万4000人以上が来場した。
9月3日に発足した第2次安部内閣で新設ポストの「地域創生相」に就任した石破茂氏も会場を訪れ、地方への移住を国が支援する考えを示した。

このほか特産品の販売コーナー「ニッポン全国ふるさと市場」が会場に設けられ、普段東京では入手困難な食品などが販売された。出展団体は19とそれほど多くなかったものの、販売スタッフの意気込みはそれを補っていた。
その中で筆者が惹かれたのが長野県茅野市のブースだ。テーブルにはやや平べったいたい焼がずらり。「焼きたて屋」という業者が売っている。

長野県茅野市のブースにあった土偶のパネル(写真は全て編集部撮影)

長野県茅野市のブースにあった土偶のパネル(写真は全て編集部撮影)

たい焼なのにパイ。そして生地の原材料は古代米

「パイ」という2文字を聞くと、反射的に「オ○パイ」を連想してしまう筆者。茅野市の立て看板の土偶を見たときも同様の早合点をしてしまった。

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金のパイたい焼? こりゃネタになりそうだぞ――邪な気持ちを抱いた筆者。女性スタッフに「すみません、パイたい焼の『パイ』ってなにを意味しているのですか?」と尋ねたところ、予想に反して割と普通な返事がかえってきた。「ああ、パイ生地のことですよ」

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えっ、パイ!? オ○パイじゃないのは仕方ないけど、もちもちした生地あってのたい焼じゃないの......。少々テンション下がり気味の筆者を興奮させたのは、彼女の次の一言だった。

生地の原材料は、古代米を使っているんですよ~。珍しいでしょ?
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今から約5000年前、茅野市は縄文文化が栄えており、遺跡から土偶や土器が見つかっている。立て看板の左の土偶「仮面の女神」は今年の8月21日に国宝に指定されたばかり。ちなみに、右の「縄文のビーナス」はすでに国宝に指定済みだ。
縄文時代を偲んで古代米を使っているというわけか。

さらに彼女は大胆な説を教えてくれた。

当時、長野には日本の総人口の約20%が住んでいて、日本の中心だったんですよ~。

現在の感覚でいうと2400万人が長野に住んでいることになる。そして茅野は首都的ポジションだった可能性が――いくらなんでも話盛りすぎでしょ! と歴史に詳しくない筆者は半信半疑だった。

「縄文時代中期の日本の中心=長野」は信憑性高そう

ところが、帰りに寄った図書館で借りた本「あなたの知らない長野県の歴史」(監修・山本博文、洋泉社刊)を開くと、「縄文時代の県域は日本一の人口密集地だった?」と書いてあるではないか。
なんでも、八ヶ岳西南麓を中心とする縄文中期の遺跡数は3000を超え、東北や東日本で花開いた縄文文化の中でも、中部山岳地帯のこの地域は頂点といっていい繁栄を極めた。
温暖な縄文時代、長野の気候は人々が住むのに適していたこと、そして石器に欠かせない黒曜石が近隣で豊富に産出され、東日本各地に供給されたことが大きいようだ。

山梨や新潟、静岡など周辺地域の草刈り場的なイメージを長野に抱いていたが、まさか長野が日本の中心だったかもしれないとは――。なんともロマンあふれる話だ。

パイたい焼は、そんな「縄文の里・茅野」をアピールするご当地フードとして誕生。どうせだったら土偶の形にすればいいのにと思ったが、たい焼だと欠損するイメージがあるから避けているのかな、と勝手に想像した。

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筆者が選んだのはイチゴを使ったクリーム味。茅野で焼いたのを東京に運んで販売しているため、生地は若干湿っていた。自宅に持ち帰って電子レンジで温めればパリパリした感じになったかも...と少し後悔した。

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