秋田県版虚構新聞?!「欠刊あきた多ウソ情報」って知ってますか
秋田の人々は勉強熱心でマジメな県民性で知られる。人口減少率が47都道府県中最悪という問題を抱えつつも、ローカルヒーローの先駆けとなった「超神ネイガー」を生みだしたり、県公式の「美の国あきたネット」で佐竹敬久県知事の飼いネコ「ミール君」(※)のページを設けたり、結構な洒落っ気を持ち合わせている。
※ロシアのプーチン大統領から佐竹知事に贈呈されたシベリア猫
そんな秋田県には、地元に関する素晴らしい出来事や誇らしい実績、微笑ましい話題を、ユーモアを交えながら伝えていこう――そんな思いの詰まったニュース(?)サイトがある。「欠刊あきた多ウソ情報」だ。「タウン」ならぬ「多ウソ」。
ウソの中に真実がある!? 秋田の風土がよく分かるかも
サイトは社会・経済・動物・農業・名物・名所など16のカテゴリーに分かれていて、トップページ上部には次の文言が。
欠刊あきた多ウソ情報は秋田に関する捏造記事と憶測情報のみで構成されています。
ウソとは分かっているけれど思わずクスッと笑ってしまう、それでいて秋田の土地柄が分かってしまう、そんな記事が満載。いわば秋田県版の虚構新聞というべきサイトだ。
編集部の目にとまったのは次の話題だ。
●新型Mac Pro、きりたんぽに酷似。意匠権侵害か
円筒型の斬新なデザインが話題となっている「新型Mac Pro」がきりたんぽに似ているとして、秋田県が意匠権侵害訴訟を視野に入れ、現在調査を進めていることが明らかになった。
確かにきりたんぽとMac Proはよく似ている。「そんなこといったら筒形の物は何でもそうなんじゃない?」というツッコミがきそうだが......これをニュース記事に昇華させたセンスは見るべきものがある。
●「田植えの時点から萌えの心を」-羽後町で田植えが始まる
気温が上昇し、穏やかな天候に恵まれた秋田県内各地で、今年の田植え作業が始まった。そんな中、萌えキャラ(美少女キャラクター)で町おこしを図る雄勝郡羽後町では、市女笠を頭にかぶり、ピンク色の可愛らしい着物を身にまとった農家の男性達(平均年齢66歳)が、少し恥ずかしそうな面持ちで苗箱を運んだり、田植え機を使って田んぼに苗を植えるなどしていた。
秋田が誇る米「あきたこまち」はタレントの壇蜜さんがイメージキャラクターを務めている。彼女のポスターを東京モノレール羽田空港駅で見た人もいるだろう。同じ衣装を着た農家の男性が田植えをしている――秋田の人なら、もう何でもやっちゃいそうだな――そう感じずにはいられない記事だ。
羽田空港に無事到着!今年4回目の秋田に行ってきまーす←早くも去年の回数に並ぶ(笑)
モノレール羽田空港駅、あきたこまちな壇蜜さんだらけです...... pic.twitter.com/94ROfmdOXG
— さりな (@llsarinall) 2014, 6月 14
●紳士服量販店を見習い「閉県セール」を開催
観光客数と観光消費額の増加に向けて様々な取り組みを行っている秋田県。数字が伸び悩む現在の状況を打開するため、「閉店セール」で集客をはかる紳士服量販店のビジネスモデルを見習って、秋田県も今月から「閉県セール」を行うことを明らかにした。
「け、県が閉じちゃうの!?」と一瞬ドキッとしてしまう見出しだが、年がら年中閉店セールをしている紳士服量販店のパロディなのでご安心を。県民がこういう記事をネットに載せているうちは、まだまだ秋田も元気に違いない。
ちなみに公式サイトによれば、2周年を迎えた同サイトだが、現在は記事担当者の多忙さのため、「一時お休み」中だという。「11月末ぐらいまでには」再開したいとのことなので、楽しみにして待ちたい。