4年連続で流される! 「弱い」上津屋橋の知恵
でも最近は......
水害が多い地域ならではの知恵――と手放しに賞賛したいところだが、上述の通りここ最近は気象変動の影響か、4年連続で流される被害に遭っている。いくら「直しやすい」といっても、ここまで頻繁では作業が追い付かない。
2014年8月13日付の読売新聞が報じたところによると、京都府の山田啓二知事は「橋としての機能を果たせていない」と述べ、復旧方法を抜本的に見直す考えを示したという。昨年9月の台風18号でも流失し、今年4月に約3600万円をかけて復旧したばかりだった。
橋は歩行者と自転車専用。とはいえ、半年以上も利用できないと地元住民もさぞ困っているのでは――と思いきや、流れ橋の500メートル下流には新木津川大橋という立派な橋が2010年に完成した。洪水で長期間往来不能になる可能性はほぼ考えられない。
流れ橋は観光スポットとしての人気があり、映画やドラマのロケ地としても重宝されている。大都会京都に近いロケーションで、長大な木橋が残っているというのは奇跡的だ。
最近の河川は改修が進んで砂利が少なくなり草原のなところが多いけれども、流れ橋の架かっているところは比較的砂利が残っている。絵になるロケーションだ。
京都 木津川の「流れ橋」今年も台風11号の影響で流されてしまった。
このところ毎年流されて修復費用が大変らしく、もしかしたら次の修復で流れない「流れ橋」になるかもしれないと聞いたので、流されてしまった最後の姿?を見に行って来ました。 pic.twitter.com/Amvc16ZfpI
— スタジオラグラス (@StudioLagurus) 2014, 8月 13
この台風で流された京都の流れ橋。再現するか構造を見直す(流されないように)か検討を始めたって。ちなみにどちらも税金を使う訳だけど、「また流されても元の姿に」っていう大らかさみたいなもんが薄れてるのが寂しいなー。
— 通天のカクちゃん (@728Hatch) 2014, 8月 13
これ、普通の橋に作り直したら、時代劇撮影できなくなり、京都での映画製作が激減し、京都府にとって経済的に大損害になります。皆撮影にこの橋使ってます。無くさないでください。流れ橋、京都府知事「見直しを」 台風11号禍で4年連続流失 http://t.co/58kzGhICUJ
— 大野裕之@太秦ライムライト公開中 (@ono_hiroyuki) 2014, 8月 12
その一方で4年連続橋が損失している事実は重い。最近の異常気象を考えれば常識外れの増水が頻発する可能性は高い。
一方で丈夫な橋にすると水をせき止めてしまう可能性もある。立派にすればするほど修繕費もかかる。現在の様式もある意味で合理的といえるのだが......。