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4年連続で流される! 「弱い」上津屋橋の知恵

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.08.13 20:21
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豪雨による増水で、まともに被害をこうむるのが川にかかった橋だ。
なんと京都には、過去半世紀の間に21回、さらにここ最近では4年連続で流されてしまっているという橋があるという。
「なんて情けない橋なんだ......」と思ってしまうかもしれないが、実はこの橋がこんなに流れやすいのには、ちゃんと理由があるのだ。

400年で100回水害

三重県と京都府を流れる木津川は昔から暴れ川として知られてきた。周囲の森林の木々は都の建設資材として切り出され、山々はハゲ山となってしまい、雨が降ると洪水が発生しやすかったからだ。
川は大量の砂利を運び、その結果河床が上がって洪水が頻発するという悪循環を繰り返した。1590~1989 年までの400年間に木津川で発生した水害は100回にもおよぶという。下流地域では河床を引き下げたり、大きな堤防を作ったり、川を付け替えたりと治水に追われた。

今年で21回目の流失

木津川は宇治川と桂川と合流して淀川となる。そこから約7キロさかのぼった地点にあるのが、「流れ橋」こと上津屋橋(こうづやばし)だ。全長は約360メートル。

でも最近は......

水害が多い地域ならではの知恵――と手放しに賞賛したいところだが、上述の通りここ最近は気象変動の影響か、4年連続で流される被害に遭っている。いくら「直しやすい」といっても、ここまで頻繁では作業が追い付かない。

2014年8月13日付の読売新聞が報じたところによると、京都府の山田啓二知事は「橋としての機能を果たせていない」と述べ、復旧方法を抜本的に見直す考えを示したという。昨年9月の台風18号でも流失し、今年4月に約3600万円をかけて復旧したばかりだった。

橋は歩行者と自転車専用。とはいえ、半年以上も利用できないと地元住民もさぞ困っているのでは――と思いきや、流れ橋の500メートル下流には新木津川大橋という立派な橋が2010年に完成した。洪水で長期間往来不能になる可能性はほぼ考えられない。

流れ橋は観光スポットとしての人気があり、映画やドラマのロケ地としても重宝されている。大都会京都に近いロケーションで、長大な木橋が残っているというのは奇跡的だ。
最近の河川は改修が進んで砂利が少なくなり草原のなところが多いけれども、流れ橋の架かっているところは比較的砂利が残っている。絵になるロケーションだ。

その一方で4年連続橋が損失している事実は重い。最近の異常気象を考えれば常識外れの増水が頻発する可能性は高い。

一方で丈夫な橋にすると水をせき止めてしまう可能性もある。立派にすればするほど修繕費もかかる。現在の様式もある意味で合理的といえるのだが......。

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