メガネスキーの聖地!?3万本のメガネ(しかも超激安)があなたを待つ池袋の珍メガネ店
今回ご紹介する「老眼めがね博物館」(東京都豊島区)は、実態はただのメガネ店で建物も古びているのだが、店の前を歩く誰もが「なんじゃこりゃ?」と目を奪われるデザインになっている。
店正面の外壁上部はモアレ(縞模様のノイズ)のように見えるが、近づいてみると......派手な色のメガネが無数に差さっている。こんな謎めいた店舗は都内を探してもそうあるものではない。
場所は池袋の東通り沿い
探検を始める前に場所を確認しておこう。博物館は東京都豊島区の東通り沿いに立地している。同通りはジュンク堂書店池袋本店のある南池袋一丁目交差点から都電雑司ヶ谷駅方面に向かう細い路地で、交差点から徒歩2、3分で博物館に到着する。
戦前まで東通りは池袋有数の賑わいだったという。現在は美容室やラーメン店、学習塾などが軒を並べる。
天井までびっちりメガネ!メガネ!メガネ!
少々脱線してしまったが話を博物館に戻す。外観にも度肝を抜かれるが、商品のPOPを見てさらにビックリ。「9割引」の札があちこちにあるではないか!
館内に入った。天井までびっちりメガネがディスプレイされている。メガネ○ーパーやメガネのパ○○キとは目指す経営方針が162度くらい違っている。多分。
店内を見渡すと......商売人であることを放棄したかのようなフレーズ「お金はいりません」が目に飛び込んできた! ラッキー♪と一瞬小躍りしてしまったが、よく見ると金券等でもいいという趣旨だった。おそらく電子マネーには対応していない。
激安のカラクリとは!?
さすがに老眼鏡を買うほど老いていないし......と店内を見渡したところ、サングラスや小物類も扱っていることに気づいた。目を引いたのが「東京オリンピック応援価格/スポーツグラス¥3000円→¥595円」。9割引じゃなくて約8割引なのに、「比較的いい品なんじゃないか」と安心して買いたくなるのはなぜだろう。
不動産だったら絶対に手を出したくない理由あり物件も、ここでは堂々売られている。その理由とは......「発売元が廃業のため処分となりました」。激安のカラクリが判明した!
もったいぶった書き方が気になって仕方がない「日本で最後の老眼鏡」。
レジにいた女性店員は「すごいでしょ~。いくらでも撮影していいですよ」とずいぶん気さくな感じ。若干外国語のアクセントが残っていたが、話さない限りほとんどの人は気づかないだろう。
普段は度の入っていないメガネを紫外線防止用にかけている筆者。サングラスをしこたま買い込もうかとも考えたが、とりあえずカメラケースとレンズ拭き、クリーナー3本を購入した。
会計で驚いたことが2回あった。1つ目はその価格で、税込でたったの274円――レシートの細目がぜんぶ「めがね」というのも素敵すぎる。2つ目はレジ横のコーナーにある商品の中から好きなアイテムを無料でもらえること。付属品だけ購入してメガネがタダとは。
タダでもらったブルーのサングラスと購入した商品がこれ。すべてが問題なく使えた。とくにレンズ吹きは680円で買ったものより汚れ落ちがよく、100均の品物とは比べものにならないほど優れている。
遠近両用は195円から!
博物館の公式サイトによると、かつてメガネの卸問屋だった倉庫を改装して、2009年から老眼鏡アウトレットとして営業している。
在庫数は常時3万本で、遠近両用は195円、老眼鏡は48円、サングラスは29円から販売されている(筆者は無料でゲットしたけれど)。
アベノミクス効果に消費税増税、原油の値上がりと、長く続いたデフレ状態を脱却し、徐々にインフレに向かいつつある日本経済。しかし、常識を覆す激安店はまだまだ存在することを思い知らされた一日だった。