沖縄の博物館に怪現象...「朝、ペンキで『雷殺』と書かれた石が置いてあったことがありますか?」
那覇市立壺屋焼物博物館は、地元の焼物の歴史や壺屋焼きの技法・制作工程を紹介する施設として知られている。
2014年6月18日午前10時過ぎ、同博物館の公式アカウントが、何とも奇妙なコメントを写真とともにつぶやいた。
【雷殺】全国の博物館関係者にお聞きしますが、朝、出勤したら石に真っ赤なペンキで「雷殺」と書かれた石が玄関前に置いてあったことがありますか? pic.twitter.com/QH2qb6SXAr
— 那覇市立壺屋焼物博物館 (@TsuboyaPotteryM) 2014, 6月 18
何かの予告なのか!?
雷殺――物騒な文字が並んでいる。オンライン上の辞書などで検索しても一致する情報は何も出てこない。雷を殺すまたは消滅させるという意味なのか。それとも雷のように殺す――電気殺人または電気処刑ということか。まったくの意味不明だ。
「置いてあった」という記述からすると、石自体は外部から持ち込まれたとみられる。
この投稿は全国に波紋を呼び、ネットユーザーによる様々な考察がツイートされた。
@TsuboyaPotteryM @rayox10 なにやら土着文化の匂い...雷除けのまじないか何かでしょうかね。
— Koutarou (@GoGoingGone) 2014, 6月 18
@tsuboyapotterym 達筆ですねw。どこかで書き込みしてから放置?/「雷殺」......自己顕示欲含めて「天誅」の意味で使ってる気がしますね......ゲームの必殺技の名称からの転用なら若者がやったか、よっぽど精神年齢が低い、反日反韓で騒ぐ中二病と同じきが(^_^;)。正解知りたいw
— ごとうたけし (@gotoutakesi00) 2014, 6月 18
中国由来の魔よけ?
説得力があると思われるのが、次の2つのツイートだ。
@TsuboyaPotteryM 風水のおまじないみたいですね。中国のサイトで「解消法:石に辰砂で雷殺と書いて置く」って書いてあるページを見つけました。肝心の症状については読めなかったのですが、怪我しやすい、とか風水での「金木交戦」?という状態に対するものみたいです。
— くじら (@sleepinwhale) 2014, 6月 18
@TsuboyaPotteryM これは鎮宅法の一種であり、「鬼箭冲」に対する解消法である。元を辿れば「?班?水??法」の中に記載しています。凶宅対策に作ったものです。玄関に置かれたなら、邪魔にならなければ、そのまま置いたほうがいいのかもしれません。現地を見てないのでなんとも..
— Fool (@Fool_mutter) 2014, 6月 18
この一件があった沖縄では、魔よけの石碑「石敢當」(いしがんどう)が道の角々に置かれていることは有名だ。
この石敢當も元は風水に関係する中国伝来の風習で、上記のユーザーが指摘する文献には、「雷殺」と「石敢當」が並べて紹介してあるそうだ。「雷殺」はどうやら、石敢當の親戚のようなものらしい。
ただの石なら民法第239条(無主物先占)により博物館の所有とした後、速やかに処分して構わない。しかし、でかでかと赤い文字が書いてあるとなると――権利者不明の遺失物として警察に預けるべきか。誰かの「念」が込められているなら、保管室に置いておくだけで不気味だけれど。
こうして、「雷殺」石の謎は(誰がなんのために置いたかはさておき)どうやら解明された。しかし同博物館は、その1分後さらなるミステリアスな投稿をしている。
【ひな人形】じゃあ、質問を変えましょうか。6月のある朝、出勤したら博物館の裏にひな人形が置いてあったことがありますか? pic.twitter.com/wh6weDf96u
— 那覇市立壺屋焼物博物館 (@TsuboyaPotteryM) 2014, 6月 18
謎は深まるばかりである。