ほぼ直角の斜面を神輿がすごいスピードで滑り落ちる! ●者も出る超危険な祭り「伊庭の坂下し」
手に汗握る難所の連続!
ところが! 第2の難所「吹上岩」、そして第3の難所「屏風岩」ですよ! 双方とも岩が大きくせり出していており、いわゆる「垂直」に落ちる(落とす)パターン。
さらに第4の難所「本堂抜け」は、せり出した岩と急斜面の合わせ技! 岩を超えても、その先は30度ほどの斜面だから神輿の勢いが止まらない止まらない! 全員がかりで体を張って、滑り落ちる神輿を崖ギリッギリで止めてました。まさにド迫力! 実は僕も、滑って5メートルほど転げ落ちました。
同じく第7難所「台懸岩」でも。
そして最大の見せ場は第8の難所「二本松」。先ほど、登るときにお見せした場所ですが......これ、もう説明不要でしょ。こんなのさ、見るからにヤバイ(笑)。
二本松を越えると、あとは細々した難所を超え、最後の「鳥居前」へ。ここも傾斜はハンパないんですが、フィナーレということで、上から下まで勢い良く滑り落ちます。
こうして16時半すぎ。三基の神輿が無事鳥居をくぐると、坂下しは一応はお開き。
伊庭の祭りは一度は見やれ
男肝つく坂下し
あれを見やんせ、あれ二本松
神輿おどらす谷のそこ
坂下しは噂にたがわぬ、大変見ごたえのあるお祭りでした。
最後に巫女さんに写真を撮らせていただきました。地元の中学生でしょうか。とってもかわいらしいですね。
【伊庭の坂下し】
日時:毎年5月4日
時間:12時~(宮出し)
場所:滋賀県東近江市伊庭町(繖峰三神社)
今回の筆者:織江賢治(おりえ・けんじ)
1975年愛知県生まれ、茨城県在住。出版社勤務を経て現在フリーの編集者・ライターとして活動。雑誌やムックを中心に執筆や編集を行う。プライベートで全国の鉄道の駅とその周辺を歩く「駅鉄活動」をライフワークとし、それが高じて各地の祭りや風習、珍スポット探検なども行っている。今までに行った祭りは200以上。【バックナンバー】
[第1回]新郎を雪上に投げ飛ばす! 新潟の奇祭「むこ投げ・すみぬり」
[第2回]ふんどし男のケツにウホッ! 千葉・匝瑳市「冷水ぶっかけ裸祭り」
[第3回]燃える雛人形、女神輿は弾み、ブラジャーが奉納される! 和歌山市「淡嶋神社の雛流し」
[第4回]7人の美人初嫁が男根にまたがり晴天の大空へとわっしょーい! 新潟「ほだれ祭り」
[第5回]集団でゴロンと路上に寝っ転がる! しかも自分から勝手に起き上がっちゃダメ!「うなごうじ祭」