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「県民の皆さん、バスに乗って! マジでヤバいんです!」 山梨県のお願いが必死過ぎる

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.03.24 19:59
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東京では若者の車離れが叫ばれているけれども、地方で車なしの生活は考えられない。18歳になれば誰もが自動車免許を取得し、通学や通勤、買い物、レジャーにマイカーを利用する。

山梨県民「バスに乗るのは100回中1回」

その一方で公共交通機関、とくにバスの利用客減少は深刻だ。山梨県の場合、100世帯当たりの自家用車保有台数は154.2台と全国10位。県民が100回移動するうち、マイカー利用が81回なのに対して、バスのそれはたった1回にすぎない。1980年代から不採算路線の整理は進んでいるが、2002年から県の人口は減少を続けている。状況次第では休廃止する路線が今後も出てくると県は危機感を募らせている。

山梨交通のバス(獰猛スイマー1000さん撮影、Wikimedia Commonsより)
山梨交通のバス(獰猛スイマー1000さん撮影、Wikimedia Commonsより)

そこで山梨県は、毎月1日と15日を「やまなしノーマイカーデー」と定め、バスや鉄道等の公共交通の利用を県民に訴えている。ところが、その告知がやたらに深刻な文章なのだ。

「公共交通を利用することで、交通渋滞の緩和、大気環境保全はもちろん、公共交通を守ることに繋がります」

まではまだ穏やかだが、そこからいきなり、

「また、飲酒運転で身を滅ぼすリスクを軽減することができます」

と、やたらに物騒になる。
そして、

「山梨県では県民のみなさんが100回移動するうち、マイカーの利用が81回、バスの利用が1回という割合となっています。つまり、みなさんがマイカーで移動する81回のうち、わずか1回をバスに転換するだけで、バスの利用者が倍増することになります」

という納得できるような「......ん?」となるような理論を展開、

「自動車は便利ですが、自動車を使えない高齢者など交通弱者にとって、公共交通の存続は生活をしていくための生命線でもあります」

と訴える。ここまで熱烈に、バスの利用を訴える文章というのもなかなかないのではないか。

さまざまな試みも続く

もちろん、単なるPRだけではない。県が始めた試みの1つが「パーク&バスライド」だ。これはイオンモール甲府昭和の駐車場にマイカーを駐車し、そこから山梨交通が運行するシャトルバスに乗り換えて、約6.7キロ離れた甲府駅方面まで通勤・通学してもらうというもの。初年度は赤字だったが、2年目となる2013年度は乗客が増えて黒字化したという。

さらにバス会社を横断して運行経路や時刻表検索などができるウェブサイト「やまなしバスコンシェルジュ」を開設し、バスの利用がしやすい環境づくりに努めている。

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