「何のスキルもなく、立っているだけだったくまモンが...」
熊本県の「営業部長」ことPRキャラクターのくまモンが2014年2月14日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。
協会担当者によると、これまでゴジラの着ぐるみやロボットの「ASIMO」が登場したことはあるが、ゆるキャラがお目見えするのは初めてだとみられる。
「くまモン体操」はたゆまぬ努力の結果だった
会見には熊本県の成尾雅貴・くまもとブランド推進課課長も同席。主にくまモンのマーケティングやブランド戦略について話した。成尾課長によると、くまモンが人気になった秘密は4つ。まずは「トップ(蒲島郁夫知事)の理解」と「SNSの活用」。残り2つがくまモン独特のものだ。3つめが「くまモン自身のたゆまぬ努力」。成尾課長によると、
「最初なんのスキルもなく、ただ立っているだけしかなかったくまモンが、『いかに皆さんを楽しませることができるか』ということを考え、キレのある動きになり、今の人気につながっていると考えている」
といい、ユーチューブで200万回以上再生された「くまモン体操」も、くまモンの努力のたまものだという訳だ。4つめが「サプライズ」。全国には約2000体のゆるキャラが存在するが、くまモンは
「私たちが止めるにもかかわらずバンジージャンプをやってのけたり、本当に温泉につかったり...」
といった「サプライズ」で他のゆるキャラと差別化しているようだ。
「官僚答弁」に苦笑も
くまモンは、成尾課長に耳打ちして代弁してもらう形で会場からの質問に答えた。特派員協会で会見するということは、海外へのPRも目的のはずで、
「海外ではどこに行きたいか。どこにメッセージを発信したいか」
という質問も出た。ところが、意外にもくまモンが口にしたのは
「公務員という立場上、特定の国を公の場でお話しするのは差し控えたい」
官僚答弁で、記者は苦笑ももれていた。
ただ、成尾課長によると、くまモンの海外展開には2つの方向性があるという。ひとつが農産物などの県産品PRを目的に台湾、香港、中国といった東アジアで「営業部長」として県産品を売り込み。もうひとつが、くまモン自体のブランド価値を高めることを目的に行う欧米でのPR活動だ。後者は、いわゆる「クールジャパン」の一環としての意味合いも込められている。