公式ゆるキャラに「しゃべれ」は無茶ではありませんか、松井府知事?
しゃべったら人気がでるのか
確かに、ふなっしー人気の源泉の1つは、そのユーモラスな「しゃべり」だ。また同じく、尼崎市の「ちっちゃいおっさん」も、しゃべるご当地キャラとして人気を得ている。彼らにならうことで、伸び悩むフルルに「改革」を――という府知事の発想は、それなりに納得できる。
ただ、ふなっしーにしろ、ちっちゃいおっさんにしろ、彼らは自治体の「非公認キャラ」だ。歯に衣着せぬその軽快なトークは、「非公認」という自由な立場だからこそ、ともいえる。
一方、自治体のマスコットは宣伝隊長のようなポジションにあり、慎重に言葉を運ばないといけない立場にある。佐賀・鳥栖市のマスコット「とっとちゃん」が2013年10月ラジオの深夜番組でわいせつ発言してしまい、市長が謝罪する問題になったことは記憶に新しい。そういった騒ぎを予防する意図があるかは不明だが、ほとんどのキャラはしゃべらない。熊本県のくまモンにしても、お付きの県職員が言葉を「通訳する」スタイルだ。
もちろん、しゃべる「公認キャラ」がいないわけではない。たとえば、静岡・浜松市公認のマスコット「出世大名家康くん」だ。ゆるキャラグランプリ2013開催中しゃべるキャラにシフトした。もっとも、家康くんがしゃべる現場に記者も立ち会ったことがあるが、お殿様特有の上品さが感じられた一方で、"はままつ福市長"という肩書きのせいか言葉を選んでいる印象だった。公認キャラが「しゃべり」で打倒ふなっしーを目指すのは、なかなか簡単なことではなさそうだ。