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長野県の「朝練」問題、結局どうなるの?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.01.17 20:00
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長野県の教育委員会は2014年1月16日、「中学生期のスポーツ活動指針」の素案を策定した。中学校の朝の運動部活動練習(朝練)が、冬期を除いて原則廃止することが盛り込まれている。市町村の教育委員会やPTAに意見を聞き、年度内に指針を固めて来年度から実施される予定だ。

朝の部活動廃止の方針は、教育委員会が昨年11月にまとめた報告書の中で打ち出された。長野県の中学校は1日3~4時間、長い場合で5時間も部活動をしているが、生徒の学習、睡眠の時間が削られることは発達段階からみて弊害がある――というのがその理由だ。

県民から異例の意見百出

生徒はもちろん、部活動を指導する教職員、指導者にとって、この方針大転換は寝耳に水だった。新聞やNHK朝のニュース「おはよう日本」でも取り上げられ、ネットでも話題を呼んだ。朝練のプラス面にも目を向けるべきという意見もあれば、やりすぎには歯止めをかけなくてはいけないという意見、将来スポーツを職業にする人以外は勉強を優先すべきという意見など、様々な声が挙がった。

11月14日から12月13日までの1カ月間、教育委員会は県民から意見を募ったところ、県の意見募集としては異例の538件が寄せられた。

廃止に賛同する意見は81件あり、逆に「朝練は好ましい影響を与えている」が72件、「廃止による悪影響を懸念する」が72件あった。「朝の運動部活動と睡眠や学習不足は関係しない」という趣旨の意見は168件だった。

朝練の規制に関する意見は145件で、「自主参加で行うべき」「生徒の自発的な活動に規制は不要」「一律廃止でなく活動の幅を持たせるべき」「一部の早朝からの練習やハードな練習だけを規制すべき」「生徒のやる気を損なうことになっている」など様々な意見が集まっている。

ハイレベルの生徒には見合った支援も

公募で集まった意見は朝練廃止賛成派よりも反対派の方が多かったが、教育委員会による朝練廃止の方針は変わらない。ただし、日没が早い時期や、屋外でのスケート練習のように放課後の練習ができない競技については例外を認めている。

朝練の廃止だけでなく、平日に1日、土日に1日の休養日を設定することや、平日の総活動時間は長くても3時間程度とすること、休日の練習は午前・午後にわたらないようにすることなども素案には盛り込まれている。

なお「朝練廃止」ばかりが話題になっているが、一方で教育委員会は、各競技の一貫指導体制によるジュニア世代からの選手の発掘・育成・強化を支援し、全国規模の大会で活躍の期待できる学校やクラブを強化指定して、ジュニア世代の強化を支援していくとしている。あらゆる世代が参加できる「統合型地域スポーツクラブ」の立ち上げにも言及している。

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