指導方針は「ほめちぎる」 三重で入校者トップの自動車学校
自動車教習所に通ったことのある人なら、指導員に高圧的な態度に辟易した経験をもつ人はいるはずだ。しかし少子化で若年層が減り、悪い噂がネットで広まる昨今、教習所も「やさしい教え方」で差別化を図るようになってきている。
2013年12月10日付けの中日新聞によると、三重県伊勢市にある南部自動車学校は、積極的にほめて生徒の意欲を高める指導を今年の2月から実践して話題となっているという。
卒業生から「感謝の声」多数
最近ではプライベートではクルマを運転せず、就職を機に免許をとる人が増えているという。仕方なく教習所に通い始めたものの、厳しい指導に直面して途中で投げ出してしまうケースもある。
そこで南部自動車学校が打ち出したコンセプトが「ほめちぎる教習所」だ。社団法人褒める達人協会が主催する「ほめ達検定」3級を社員全員が取得。生徒が学校に一歩足を踏み入れると、受付の人が笑顔で挨拶し、技能講習で指導員が笑顔を絶やさず気を配ってくれる。
おかげで南部自動車学校は三重県で入校者数トップを誇っており、学校のウェブサイトの「卒業生の声」には、感謝の声が多数掲載されている。
「これから1人で運転するのかと思うと寂しくてたまらないです」
「技能教習ではよいところはほめてくれ注意すべきことは丁寧に教えてくれました」
指導員と生徒の間に信頼関係ができているので、ときには厳しい指導があっても生徒は素直に直すことができる。
1人の指導員が最後まで面倒をみる「担任制」も採用している。生徒はどんな先生にあたるか不安にならずに済むし、指導員も生徒のクセを余裕をもって把握することができる。こうした取り組みもプラスに働いているようだ。
警察庁の「運転免許統計」によると、運転免許証の新規交付件数は平成9年度の約217万件から、平成24年度は約122万件に減少している。