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広島で生まれた「夢元無双」 日本のけん玉から「世界のKENDAMA」へ

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2013.12.03 18:14
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[テレビ派‐広島テレビ] 2013年11月19日放送の「特集」のコーナーで、世界でも有名な「幻のけん玉」を広島で制作している人を紹介していました。東京の表参道近くのファッション店前に集まる、大勢のけん玉ファン。この日のために、わざわざ海外からやってきた人もいます。

デンマーク人のソーキット・メイさんは、「(玉に)剣が入った時はいい音がするし、けん玉はとても刺激的。自分を創造的に表現できるんだ」と話します。

けん玉人口は今や世界中で100万人とも言われ、欧米を中心に人気が出て流行し始め日本に逆輸入されています。東京・神宮前のDECADEの河本伸明店長も、

「洋服やBMX(自転車)やスケートボードが好きな男の子たちが、こぞってけん玉にはまっている傾向をがあると感じている」

と言います。経済情報誌『日経トレンディ』でも、2014年のヒット予測の第9位に挙げています。女の子も「ありえない技を次から次と繰り出すのがカッコイイ」と目を輝かしていました。

ブームの裏に広島人脈

表参道のイベントでは、広島のメーカーが発表した最新鋭のけん玉「夢元無双」(7560円)がお披露目されました。先月末に販売したところ、1日で500個が完売。半分以上が外国からの注文で、メタリックな塗装や交換可能な剣先など徹底的にこだわったものでした。

製作したイワタ木工の岩田知真さんは、「僕が5年前に作っていたころはストリート系も全然なかったし、こんな感じのお店もなかった。楽しめるけん玉というものが見直されたことで、今からブレイクするということは本当に幸せ」と話していました。

海外コレクターのけん玉(Rat Miceさん撮影)
Ruisch's Mugen Collection

岩田さんに製作を依頼したイベント主催者のGLOKEN窪田保代表理事は、けん玉で世界をつなぐという大きな夢があり、「夢元無双」の発売には二人の歴史が深くかかわっていました。

窪田さんは、広島大学在学中にけん玉サークルを立ち上げ、日本記録を打ち立てるなど活躍。その後、青年海外協力隊員として、アフリカの子供たちにけん玉を伝えました。帰国後は定時制高校の教員となり、努力や達成感を伝えるけん玉の普及に努めてきました。

窪田さんの活動を支えたけん玉「夢元」は、2003年の発売以来、共に歩んできましたが、協会との意見の食い違いで2007年に販売中止になり、窪田さんも現役を引退。

ところがその後、インターネットを通じてけん玉の動画が発表され、「夢元」は幻のけん玉として5万円ほどで取引されるようになりました。

この状況に窪田さんは立ち上がり、新たな団体を作り、海外から広島に人を呼んで交流を始め、世界に打って出る新しいけん玉を岩田さんに依頼したのです。

「世界中の人を集めて大会をやりたい」

窪田さんの依頼を受け、岩田さんは最新鋭のけん玉製作に取り掛かり、緑に輝く黒と金色に輝く白を発売。来年に向け、桜色も準備中だそうです。

季節に合わせたカラーで、ファッションアイテムとして付属品も充実。岩田さんは「窪田さんが世界のけん玉事情をしっかりと教えてくれたことで、これはもっと作らないといけないという意欲になり、皆さんの笑顔が見たいと思いました」と語ります。

窪田さんは、「これ以上ないものが『夢元無双』で。世界中の人を日本に集めてけん玉大会をやりたい。すべての人が楽しくけん玉ができてつながっていく、それが一番やりたい」と意欲をのぞかせます。

岩田さんも、「この盛り上がりをずっと続けられるようにしたいので、もっと楽しめる、みんなが幸せになれるようなけん玉を作りたい」と話していました。(ライター:いろはもみじ)

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