日本人が支援物資に添えた「漢詩」が中国で話題に なぜ書こうと?送り主の思いを聞いた

2020年2月 3日 20:00
写真は日本青少年育成協会提供(以下同)
写真は日本青少年育成協会提供(以下同)

1000年以上前に詠まれた漢詩が、いま思わぬ形で注目を集めている。きっかけは、日本から中国へ送った救援物資の段ボール箱に貼られた紙だった。

上がその段ボール箱だ。中国語検定試験などを行っている一般社団法人・日本青少年育成協会(本部・東京都新宿区)が2020年1月31日、中国・北京の事務局経由で、湖北省にある湖北高校へ支援物資を送った。

宛先のほかには、日中の国旗と共に「加油(がんばれ)!中国」というメッセージ。さらに下部には、小さな文字で、

「山川異域 風月同天」

と書かれていた。

この短い文章は、今から1300年近くも前、当時の有力な皇族・長屋王によって詠まれた、漢詩の一節らしい。「山河は違えど、同じ風が吹き、同じ月を見る」といった意味のようだ。

なぜ、この詩を段ボールに記載したのだろうか。Jタウンネット編集部は、日本青少年育成協会に電話で詳しい話を聞いてみた。

中国の人々の顔を思い浮かべて......

マスクと体温計を支援物資として送った
マスクと体温計を支援物資として送った

電話で答えてくれたのは、同協会国際交流委員会の林隆樹委員長だった。

「支援物資は、マスク約2万個と体温計約30個です。日中の間には、もちろん不幸な歴史もありましたが、美しい友好の永い歴史もあったのです。日中交流のシンボルとも言えるのが、鑑真の来日です。長屋王が詠んだ詩の一節をとおして、日中友好の歴史を思い出していただきたいと思い、支援物資の段ボール箱の貼紙に記載しました」

林委員長の、この詩に対する熱い想いは、実は以前からのものだったという。

「私自身、個人的な旅行をとおして、中国の人々と知り合う機会がありました。そのとき出会った人々の顔を思い浮かべ、彼らと体験した楽しい思い出を振り返ると、まさに『山川異域 風月同天』という想いだったのです」と林さんは語る。

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2019年秋に行われた「HSK中国留学・就職フェア」のポスターやグッズの中にも、このメッセージ「山川異域 風月同天」を入れていたのだという。国際交流委員会の仕事をする林さんにとって、キーワードとなっていたのだろう。

「支援物資を送る際にも、自然に書き入れてしまいました」と林さん。

こうした林さんの思いは、中国でも話題になった。

中国国営メディアの新華社通信の日本語版記事(2月2日ウェブ配信)によれば、林さんのメッセージは中国のSNS・微博(ウェイボー)で絶賛されている。

支援物資を受け取ったユーザーが「『山川異域、風月同天』と書かれたラベルに感動」とのメッセージ付きで写真をアップしたところ、現地のユーザーから31万件を超える「いいね」が寄せられたというのだ。

こうした反響について林さんは、「日中友好の歴史を思い出していただくきっかけになれば幸いです」と語った。

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