移住して、本当に「田舎暮らし」したいですか?
最近、「移住」というキーワードがちょっとした流行だ。東京などに住む都会人が、地方へUターン・Iターンして新たな暮らしをスタートする――「一極集中」に留まらない新たなライフスタイルとして、ちょっと疲れた都会人、そして地域振興を目指す地方の双方から注目を集めている。
都会人が田舎に対して抱くイメージはのどかな田園風景だ。土地や家が安く手に入り、食べ物も新鮮。なにより空気と水がうまい。
最近はネット通販で何でも手に入り、ケーブルテレビは全戸にある。
大都市と地方の差は縮まった、風光明媚な場所なら移住してもいい――そう考えるハッピーリタイヤ組は少なくない。
一方で、いくらネットがあるといっても外出しないわけにはいかない。車は必需品でガソリン代は確実にかかる。インフラの充実度は自治体によって差が激しい。古民家は情緒があるけれど、エアコンに慣れた体に冬のすきま風は身にしみる。静かな隠居生活を楽しめると思っていたら、ご近所付き合いが大変という話もよく聞く。