「ちょっと笑っちゃうくらいウマい」「世界一おいしい」 人口850人の村でヒット商品連発!高知県の〝ゆずの村〟馬路村の生存戦略
森林率96パーセント、コンビニの数ゼロ
馬路村とはどんなところなのか、読者は想像できるだろうか。
高知県の東部に位置し、北は1000メートル級の山地を隔てて徳島県に接するという、山深い村だ。馬路村農協のホームページを見ると、「村の情報」というコーナーがあり、そこにはこんな項目も......。
村の人口:850人ほど
森林率:96パーセント
ゆず農家戸数:190戸
ゆず生産量:800トン
小学生:30人ほど
信号機の数:0
コンビニの数:0
街までの距離:40キロ(馬路村農協ホームページより)
コンビニはもちろん信号機もゼロだという。そんな馬路村が、どんなきっかけで「ぽん酢しょうゆ」「ごっくん馬路村」などのゆず加工品を生み出すことができたのだろう。
Jタウンネットの取材に応じた馬路村農業協同組合営農経済課の担当者によると、馬路村はかつてほとんどの村民が林業に携わるほど、林業で栄えた村だった。しかし、海外からの木材輸入が進み、徐々に林業が衰退し、人口も減少していったのだという。
そこで、林業に代わる産業を構築するために取り組み始めたのが、県内で消費需要の高かったゆずの栽培だ。昭和30年代のことだという。
「しかし他地域も同様にゆず栽培を始めており苦戦が続いた上、生食・果汁出荷だけでは売上が伸び悩んだため、農協は加工品事業への転換を図りました」
「原料のまま売るより村内で加工・製品化すれば利益がすべて村に残ること、また絞って使う前提なら見た目にこだわらず農家の負担も減らせることに着目し、加工品化を決断しました」(馬路村農協担当者)
試行錯誤の結果、ゆずを活用したぽん酢しょうゆをはじめ、さまざまなヒット商品が誕生した。馬路村農協の商品開発のコンセプトを聞いてみた。
「一番大事にしているのは、シンプルに『おいしい』こと、そして『安心』であることです」「ゆずの魅力を最大限に活かすため、素材はできるだけシンプルに。合わせる食材選びまで一切手を抜かない、地道な工程の積み重ねです」
「そして、食べた人が笑顔になり、贈られた人に喜んでもらえることが、商品づくりの何よりの原動力になっています」(馬路村農協担当者)