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「ちょっと笑っちゃうくらいウマい」「世界一おいしい」 人口850人の村でヒット商品連発!高知県の〝ゆずの村〟馬路村の生存戦略

松葉 純一

松葉 純一

2026.08.15 08:00
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地域によっては連日のように40度近い酷暑が続いているが、読者の皆様はどう過ごされているだろうか。日中はなるべくクーラーを効かせた涼しい室内に避難している方が無難なのだが、そうもいかない。外に出なければいけない仕事もあるし、ただ歩いているだけでも汗びっしょりとなる、まさに危険な暑さだ。

そんな中、グイッと飲みたい飲み物がある。「柚子(ゆず)」と「ハチミツ」「水」が原材料というドリンク「ごっくん馬路村」だ。

「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より
「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より

この夏にぴったりなドリンクは、高知県東部にある人口約850人の村、馬路(うまじ)村農協が独自に開発、生産販売しているという

Xにはこんな声が寄せられている。

「ごっくん馬路村 好きすぎて箱買いしてたな」
「ごっくん馬路村 見かけるとつい買ってしまう」
「馬路村のジュース。ごっくん馬路村。アレも死ぬほど美味い。はちみつとゆずくらいしか確か原材料ないシンプルなやつ」

馬路村の製品と言えば、ゆずを活用した「ぽん酢しょうゆ」もいい。この季節、冷しゃぶなんかにかけると、最高である。こちらも「馬路村のぽん酢は世界一おいしい」「我が家には常にある」「ちょっと笑っちゃうくらいうまい」なんて声が上がっている。

人口約850人の小さな村が、ゆず加工品に特化し、「ぽん酢しょうゆ」「ごっくん馬路村」などのヒット商品を生み出すに至った経緯を、馬路村農業協同組合に聞いた。

森林率96パーセント、コンビニの数ゼロ

「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より
「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より

馬路村とはどんなところなのか、読者は想像できるだろうか。

高知県の東部に位置し、北は1000メートル級の山地を隔てて徳島県に接するという、山深い村だ。馬路村農協のホームページを見ると、「村の情報」というコーナーがあり、そこにはこんな項目も......。

村の人口:850人ほど
森林率:96パーセント
ゆず農家戸数:190戸
ゆず生産量:800トン
小学生:30人ほど
信号機の数:0
コンビニの数:0
街までの距離:40キロ(馬路村農協ホームページより)

コンビニはもちろん信号機もゼロだという。そんな馬路村が、どんなきっかけで「ぽん酢しょうゆ」「ごっくん馬路村」などのゆず加工品を生み出すことができたのだろう。

「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より
「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より

Jタウンネットの取材に応じた馬路村農業協同組合営農経済課の担当者によると、馬路村はかつてほとんどの村民が林業に携わるほど、林業で栄えた村だった。しかし、海外からの木材輸入が進み、徐々に林業が衰退し、人口も減少していったのだという。

そこで、林業に代わる産業を構築するために取り組み始めたのが、県内で消費需要の高かったゆずの栽培だ。昭和30年代のことだという。

「しかし他地域も同様にゆず栽培を始めており苦戦が続いた上、生食・果汁出荷だけでは売上が伸び悩んだため、農協は加工品事業への転換を図りました」
「原料のまま売るより村内で加工・製品化すれば利益がすべて村に残ること、また絞って使う前提なら見た目にこだわらず農家の負担も減らせることに着目し、加工品化を決断しました」(馬路村農協担当者)
「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より
「馬路村農協【公式】」(@Umaji_vi_nokyo)の投稿より

試行錯誤の結果、ゆずを活用したぽん酢しょうゆをはじめ、さまざまなヒット商品が誕生した。馬路村農協の商品開発のコンセプトを聞いてみた。

「一番大事にしているのは、シンプルに『おいしい』こと、そして『安心』であることです」「ゆずの魅力を最大限に活かすため、素材はできるだけシンプルに。合わせる食材選びまで一切手を抜かない、地道な工程の積み重ねです」
「そして、食べた人が笑顔になり、贈られた人に喜んでもらえることが、商品づくりの何よりの原動力になっています」(馬路村農協担当者)

酒飲みの皆さんにも朗報

急成長中の人気商品として、2024年4月に発売された「ゆずの森」(缶チューハイ)もある。22年に酒造免許を取得して以来、ユズリキュールに続く3作目のアルコール商品だという。香料や酸味料を一切使わず、ゆず果汁・ウォッカ・糖類・炭酸の4つだけで作られているそうだ。

うまじむら農協【公式】インスタグラムの投稿より
うまじむら農協【公式】インスタグラムの投稿より

「ゆずらしい香りや酸味を表現するのに苦労し、ウォッカと糖類のバランスを工夫することで、ほのかな苦みも残した味わいに仕上げています」と担当者。確かに、爽やかなゆず果汁とウォッカの相性はとても良さそうだ。

馬路村農業協同組合Facebookページの投稿より
馬路村農業協同組合Facebookページの投稿より

今後の構想について尋ねると、馬路村農協担当者はこう答えた。

「馬路村農協は、単に利益を追い求める組織ではなく、村役場とともに『村の存続を懸けた運命共同体』として歩んできました」
「農協が事業を伸ばして安定した雇用と所得を生み出す一方、行政側はUターン奨励金や引っ越し補助金、子どもの医療費・保育料の無料化といった定住支援や空き家対策を進めています」
「こうした行政の取り組みを側面から支えながら、『村そのものを売り込む』という独自のブランディングを、これからも続けていきます」(馬路村農協担当者)

また担当者は、「機会があれば、ぜひ一度村まで足を運んでいただきたいと思います」とコメントした。

「ごっくん馬路村」や「ぽん酢しょうゆ」、そのほか馬路村のゆず製品ファンの皆さん。ゆずを育てた空気と共に、ゆずを味わってみるのはいかが。

「ゆずの森加工場」では「ごっくん馬路村」の製造ラインを間近で見ることもできるそうだ。

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