「中央特快乗車中に襲ってきた、急激な腹痛。我慢の限界を迎え、途中で電車を降りようとしたけれど...」(東京都・30代女性)
東京都在住の30代女性・Fさんが20歳前後だったころのこと。電車で急激な腹痛に襲われた。
はじめは目的の駅まで我慢しようと思った彼女だが、そんなことも言っていられない状態になって......。
<Fさんからのおたより>
10年ほど前、私は大学生でした。
あの日、駅へ向かったのは授業にギリギリ間に合うくらい時間。少し焦っていました。
でも、運良く通勤特快に乗れて、座れはしないものの、なんとか間に合いそう。
私は携帯を眺めて過ごすことにしたのですが......。
「あと少し...あと少し...」と自分に言い聞かせ
乗車後、10分ほどすると、お腹が段々と痛くなってきました。
「この痛みは下痢だ...」と分かりました。
どうしよう。途中で降りたら、授業には完全に間に合わない。「大学の最寄り駅に着いたらすぐトイレに行こう」と我慢を決めました。
しかし、腹痛の波は段々と大きくなってきました。つり革を掴む手は汗ばみ、電車の揺れを足で踏ん張るのもツラい。寒気も出てきて、鳥肌も立ち始めました。
「あと少し...あと少し...」と自分に言い聞かせていました。
せめて座りたい。......けど、みんな目を閉じたり、携帯に夢中だったり、席が空く様子はありません。
と、その時、また波が!
目が見えない、どうしよう
「う...っ」と大きな痛みの波を我慢。「もう次で降りよう、もう無理」と目をつぶってひたすら時間が過ぎるのを待っていると、やっと車両のドアが開きました。
「やっと行ける...!」と顔を起こした瞬間、立ちくらみのような状態になりました。目の前が砂嵐のようになり、キーンと耳鳴りすると同時に周囲の音が遠くなったのです。
目が見えない、どうしよう。
視界がチカチカして、よく見えず、誰かに助けを求めるしかないと思いました。
ドアの方向に手を伸ばしながら歩き、手に触れた誰かの腕をつかみました。
「すみません、トイレに連れていってくれませんか」
声を振り絞ってお願いすると、「いいですよ、大丈夫ですか」と男性の声。
その人の腕にしがみつくように、前屈みで歩きました。気分の悪さであまり覚えていませんが、「ここから階段です」など、声をかけてくれていたと思います。
階段を上ると...
階段を上ると段々と砂嵐が薄くなり、トイレが見えてきました。
「ありがとうございました、もう大丈夫です......。すみません、忙しい時間に」と途切れ途切れに言うと「いえ、余裕を持って出てきたので大丈夫ですよ」と返ってきました。
もう一度お礼を言い、私はすぐトイレへ向かいました。
気分が悪すぎて、男性のお顔も姿も振り返り見る余裕はありませんでした。
声の感じからして、30代くらいかな、と思いました。
突然のお願いにも関わらず、快く私を誘導してくれて、本当に助かりました。
時間に余裕を持って行動し、見ず知らずの人を助けて優しい配慮までできる、素晴らしい方でした。もし会えたらちゃんとお礼を言いたいです。
あなたの「やさしい思い出」、聞かせて!
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