「どうしよう!お金落としちゃった!」パニックの私が手にした「あるはずのない50円玉」(栃木県・50代女性)
落としてしまった50円玉。見つからないとバス代が払えない。
その時「チャリ〜ン」と音がした。見つかった!
その50円玉の正体は、誰かの「優しさ」から生まれたのでした。
<Yさんからのおたより>
私が小学校低学年だった頃の話です。
当時、青森県郊外に住んでおり、授業の後バスでそろばん塾に通っていました。
毎日、バス代ピッタリの金額だけ親に持たせてもらっていたのですが......。
塾の帰りはいつも仕事帰りのサラリーマンで満員のバス、座れずに立っていても背が低いので、つり革につかまることもできず揺れに耐えるのが常でした。
その日、いつもより激しくバスが揺れ、周りの大人たちに押されて握りしめていたバス代の一部を落としてしまったのです。
「どうしよう!お金落としちゃった!」
と叫ぶ私。満員なので床を見たくても見えません。
一緒に乗っていた友達が「いくら落としたの?運転手さんに言って、次に乗る時払ったら?」と言ってくれたのですが、『お金を払わないで降りるなんてできない!』と素直な子どもらしいことを思い、焦ること焦ること。
「50円玉落としたの!」と友達に答えた少し後、チャリ〜ン♪と小銭が床に落ちる音がしました。人と人の間に挟まっていたものが落ちたのでしょう。その音に反応するかのように周りの大人たちが少し隙間を空けてくれ、私の足元に落ちた50円玉を拾うことができました。
「よかった!あった!」
無事に運賃を払って帰宅しました。
「なんでここに」
帰宅して塾のバッグの中を見た時、
「なんでここに50円玉があるの?」
と驚きました。
床に落ちたと思っていた50円玉、開いたバッグの中に落ちていたんです。 ということは......。
子どもだった自分でもすぐに理解できました。
あの時、一連の流れを見ていた大人の中の一人が50円を落としてくれたのだと。
何十年と経った今でも、思い出す度にうれしくて涙が出てきます。
直接お礼が言えなかったことが悔やまれるのですが、「恩返し」ではなく「恩送り』をすればいい――そう親に教えられました。
ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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