ハシビロコウは「動かない」ってだけじゃない 〝数え切れないほど〟の魅力の一端はその羽根
「動かない鳥」として知られるハシビロコウは、動かないにもかかわらず、なぜか人気が高い。
千葉市動物公園でも、来場者人気ランキングの上位をレッサーパンダと競い合っていると聞く。
その千葉市動物公園の公式Xアカウント(@ChibaZoo)から、2025年10月14日、ある写真が投稿され、話題となった。
「ハシビロコウの羽根🪽は地味に見えるかもしれませんが、よーく見るとブルーグレイの綺麗なグラデーションです」
そんなコメントが添えられていた。
たしかに不動の姿勢につい目をとられがちで、たまに動くと、「あ、動いた」と喜んでいるのが普通だが、羽根も見逃せない観察ポイントの一つなのだろう。
このポストには5000件以上の「いいね」が付けられ、こんな声が寄せられている。
「やっぱりカッコいいなぁ」
「本当に水墨画のように美しいよね~」
「美しいグラデーションは墨の濃淡のようです」
「ハシビロコウの羽根 地味というより シンプルだから......重なりが美しい模様 初めて意識して観ました」
ハシビロコウの羽根のうつくしさについて言及されることは、これまであまりなかったように思う。
今回、Xでの情報提供には、どんな意図があったのだろうか? 千葉市動物公園に詳しい話を聞いてみよう。
ホワッとした飾り羽根の触感は?
「たくさんのみなさんへ、ハシビロコウの魅力を知っていただきたいからです」
Jタウンネットの取材に応じ、投稿の意図をそう語ったのは、千葉市動物公園の広報担当者だった。
「ハシビロコウの展示場を訪れる来園者の方々は、口をそろえて『動かない鳥』とおっしゃいますが、ハシビロコウの特徴は数えきれないほどあります!
大きな嘴や『カタカタカタ』という鳴き声などなど、よりハシビロコウに興味を持っていただけるような事をお伝えしています」(千葉市動物公園広報担当者)
今回話題になったハシビロコウの美しい羽根は、使っているうちにボロボロになっていくので、定期的に新しいものに生え変わる。
人の髪の毛が生え変わるのと同じ、循環機能の一つだという。
「個体にもよりますが、通常は繁殖期が終わった後に始まります。当園のしずか♀は、夏終わりから初冬くらいの期間です」(千葉市動物公園広報担当者)
千葉市動物公園のハシビロコウは、雄1羽、雌1羽だが、雌が終わったころに雄の換毛が始まるそうだ。
ところで、ハシビロコウの羽根と言えばもう1つ気になるところがある。
頭の上についている、ホワッとした飾り羽根だ。
これはいったい、どんな触感なのだろう? 尋ねてみると「柔らかい羽質になっています」という回答が返ってきた。
Xには、「お世話が出来る飼育員さんが羨ましい」というリポストもあったが......ホワホワした羽根をなでてあげたい気持ちはよく分かる。
〝数えきれないほどある〟という、ハシビロコウの特徴。
広報担当者は、「より多くの方々にハシビロコウの魅力を知ってもらうため、引き続き様々なことをお伝えしていければと思います」と意気込む。
ハシビロコウから、ますます目が離せない。
ハシビロコウの羽根🪽は地味に見えるかもしれませんが、よーく見るとブルーグレイの綺麗なグラデーションです✨
— 千葉市動物公園【公式】 (@ChibaZoo) October 14, 2025
じっとはまだ換羽が始まっていないため、全ての羽根が生え揃っている状態です!
ぜひ、じっくりと観察してみてください♪(飼Ⅰ)#千葉市動物公園 #ハシビロコウ #じっと #shoebill pic.twitter.com/nMwQRLLnMD