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スマートなごみ箱「スマゴ」全国に拡大中 景観の改善に大きく寄与するその仕組みとは?

福田 週人

福田 週人

2025.03.04 14:00
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2025年2月21日、Jタウンネットではある「ごみ箱」がもたらした衝撃的な変化をご紹介した。

そのごみ箱は、多くの人々でにぎわう大阪の繁華街・道頓堀から、路上の「ごみの山」を消したのだという。

道頓堀での活躍については記事【スマートなごみ箱「スマゴ」の力でポイ捨て激減! 道頓堀での活躍に2.5万人感激「ゴミの山はなくなりました」】をご参照いただくとして、その画期的なごみ箱は、他の場所にも、着実に増えてきているという。

見かけたこと、ありませんか?(画像提供:フォーステック)
見かけたこと、ありませんか?(画像提供:フォーステック)

Jタウンネットでは今回、そのごみ箱を生み出した企業「フォーステック」(東京都千代田区)に詳しい話を聞いた。

J2025年2月28日、記者の取材に応じたのは同社新規事業開発室長の原周平さんだった。

いま、各地に増えている「スマートなごみ箱」の名は「SmaGO」。

見た目は特に変わっているわけではないのだが、その機能は他のごみ箱と一線を画する。

どのように「スマート」か?

我々がふだん接する機会が多いごみ箱は、ごみを入れ、貯めておくだけの文字通り「箱」であることがほとんどだ。

しかし、「SmaGO」は違う。

本体上部に取り付けられたソーラーパネルによって発電し、電力を蓄積。それを使って内部のごみの大きさを5分の1まで圧縮する「自動圧縮機能」を搭載している。

SmaGOの仕組み(フォーステックのプレスリリースより)
SmaGOの仕組み(フォーステックのプレスリリースより)

つまり同じ容量のごみ箱と比べて、圧縮する分だけより多くのごみを貯めておけるのだ。

表参道のSmaGO。本体側面を広告メディアとして活用することもできる(画像提供:フォーステック)
表参道のSmaGO。本体側面を広告メディアとして活用することもできる(画像提供:フォーステック)

また、通信機能によって、ごみ箱内部の蓄積状況などをリアルタイムで管理・分析することも可能。その場にいなくとも、どのごみ箱のごみを、どのタイミングで回収すればいいのか、正確に把握できるというわけだ。これは確かに、スマートである。

名古屋港水族館のSmaGO(フォーステックのプレスリリースより)
名古屋港水族館のSmaGO(フォーステックのプレスリリースより)

国内で「SmaGO」の正式運用が始まったのは2020年10月のこと。その後も着々と設置台数は増えていき、2025年2月現在では約45か所に450台弱設置されている、と原さんは説明する。

「設置主様からは、『回収回数が少なくなり、その分清掃工数をエリア内の美化に割けるようになった』、『ごみがごみ箱から溢れなくなり景観が大いに改善された』などとても嬉しいお声をいただいております」(原さん)

テレビやラジオ、新聞、Webなど様々なメディアに取り上げられたこともあり、設置エリアも認知度も拡大し始めているという。

北海道倶知安町・ニセコエリアのSmaGO(フォーステックのプレスリリースより)
北海道倶知安町・ニセコエリアのSmaGO(フォーステックのプレスリリースより)

日本各地に「SmaGO」が広まりつつある現状について、原さんは「ごみ箱からの溢れやポイ捨てなど設置エリアのごみの課題と、ごみ箱の少なさに困っている観光客などの利用者の課題を相互に解決した上で、美観の改善にもつながっており喜ばしく感じています」と語る。

ただ、「SmaGO」自体の認知度はまだまだ低いのが現状。設置を必要としている箇所のニーズを拾いきれていないことが課題であるとも述べた。

成田国際空港のSmaGO(フォーステックのプレスリリースより)
成田国際空港のSmaGO(フォーステックのプレスリリースより)
「海洋ごみの約8割は街から生まれたごみと言われています。今後も設置台数を拡大させることで設置箇所のごみの課題を解決することはもちろん、街の散乱ごみ量を減少させ、事業全体としては環境負荷の軽減を実現していきたいと考えています」(原さん)

「SmaGO」のような「スマートなごみ箱」の設置が進んでいけば、「道端にごみが散乱している光景の方が珍しい」なんて日が訪れるのも、そう遠い未来の話ではないかもしれない。

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