「旅先でバスから下車しようとしたら、運転手が『降りないほうがいい』。運賃箱を塞いでまで止めてきて...」(神奈川県・60代男性)
看板に書いてあったのは...
看板は「いのちの電話」の案内でした。自殺を思いとどまって欲しいという旨が書いてありました。
その時、あの運転手さんが何とか自分を降ろさせないようにしたのは自分の命を心配してくれたんだということに気づいたのです。
それなのに自分は何も知らず、手を払いのけ「降りるんだよ!」と語気を強め怒ってしまって......。
あの時の運転手さん、ごめんなさい。心配してくれたのにひどい対応をしてしまいました。本当にごめんなさい。
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わたしはその後、霧多布岬を去り、国道を歩き浜中の町に向けて歩きだしました。
民家は全くなく歩行者はもちろん1台の車も通りません。時間は午後3時を過ぎて冬の北海道の冷たい風が強まってきました。
30分歩いても本当に車が1台も来ない。バスの運転手の言う通りだと思っていたら前方から乗用車が1台やってきました。