「避難生活を送っていた私と息子。お風呂に入るために他県に行くと、車のナンバーを見た地元民が...」(福岡県・40代女性)
福岡県在住のSさんと当時小学1年生になったばかりの息子さんは2016年の熊本地震で被災した。
しばらくは家に帰ることもできず、車中泊の日々。そんな中、お風呂に入りたいと隣県である福岡に車で行くことに。
すると、途中で立ち寄ったスーパーで彼女たちが熊本から来たと気づいた地元民たちが......。
<Sさんからのおたより>
ずいぶん年月がすぎてしまいましたが......あの時はありがとう。
もう9年前になるのかな? 4月におきた熊本地震。
震度7が2回もあった、あの地震です。
私は、当時小学校に入学したばかりの息子と凄まじい地震を経験しました。
スーパーの駐車場で見知らぬおばあさんが...
息子が楽しみにしていた学校も避難所にかわってしまいました。
ライフラインもすべて止まり、余震が続くので家にも帰ることができず、私たちは車中泊の日々。
そんな避難生活を過ごしていましが、その日はお風呂に入りたいと、福岡へ行くことにしました。
福岡につくとコインランドリーで洗濯をすませ、スーパーマーケットへ。
そこで決して忘れることのない出来事が起こったのです。
熊本ナンバーの車を見るやいなや、私たち親子にかけよってくる方が。見知らぬおばあさんです。
「大変だったね!」
おばあさんはそう声をかけてくださいました。
それだけでは終わらず、その方に続けとばかりにたくさんの方が声をかけてくださり、「支援物資!!」と、食べ物や飲み物を持たせてくださったのです。
熊本に帰る時には、車の中も胸の中もいっぱいだったことを、今でも思い出します。
あの時は「感謝を忘れずにしよう。いつか私たちもそんな人になろうね!」と泣きながら帰りました。
見ず知らずの親子にたくさんの声をかけてくださった方々。今でも感謝しています。
そんな息子もこの4月から高校生。優しい気持ちにふれさせていただきほんとうにありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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