「イヤイヤ期で乗車を拒否する1歳娘。親子で駐車場に座り込み途方に暮れてたら、施設の従業員が...」(埼玉県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Tさん(埼玉県・30代女性)
その日、旅行の帰り道に立ち寄った道の駅の駐車場で、Tさんの娘のイヤイヤ期がさく裂した。
チャイルドシートのベルトを締めさせてくれず、大泣きして大暴れ。限界を迎えたTさんがつい、「なら一人で降りなさい」と口走ると......。
<Tさんの体験談>
2番目の娘のイヤイヤ期は、周囲の同じ年齢の子より少し早めに始まりました。
そんな彼女が1歳半になった12月、家族で館山のほうへ旅行に行きました。
不機嫌になるとところ構わず大泣きするなど、上の子のときには全く経験しなかった育児の大変さを味わい初めていた頃です。
大泣きして暴れる娘に音を上げてしまい...
1泊二日の旅行もどうなるか心配していましたが、そのわりには問題なく帰りの時間に。
しかし、帰りに寄った房総道の駅とみうらで、買い物などした後車に乗ろうとしたら、そのタイミングで娘のイヤイヤ期が発動! 車のチャイルドシートのベルトを止めるのに、全力で抵抗し始めたのでした。
30分は格闘しましたが、無理矢理止めようとしても大泣きしては暴れるので、私が音をあげてしまいました。
限界を超えた私はつい勢いで「ベルト閉めないと帰れない。なら一人で降りなさい」と怒鳴ってしまいました。
すると娘は一人で靴も履かずに車からスッと出ていってしまったのです。
あまりにも自然に出ていくので驚いて慌てて後ろをついていきましたが、私を振り返ることなく、娘は駐車場を歩いていきます。
12月に裸足で歩く異様な姿に、周りにいた客が振り返って見てきました。
駐車場に座り込む母子に従業員が...
娘がやっと立ち止まった時、私もさすがに言い過ぎた自分に反省しながら「足も冷たいし早く車に戻ろう」と話しかけました。
しかし、やはり車には乗りたくないと言います。
早く車に乗せたい一心で全力で話しかけてていると、ついに娘は下を向いて何も反応しなくなってしまいました。
それからは二人で駐車場端に下を向いて座り込んでしまいました。終わりが見えず、途方に暮れてしまっていました。
そんな私たちに、道の駅に勤めているお兄さんが遠くから近付いてきました。
「こんなところで裸足でどうしたの?とりあえず焼き芋食べな」
と娘と私に出来立ての焼き芋を渡しに来てくれたのです。
何があっても、あの場所ならもう大丈夫。
あまりに唐突な出来事でしたが、まるでずっと誰かの仲裁を求めていたかのように娘は糸が切れたように大泣きし始めて、私も大人気なく涙が止まらなくなって......。
誰もが変な目で私たちを見ていた中、お兄さんだけが救いの手を差し伸べてくれました。
そのあと娘は、何もなかったかのように車にすんなり乗ってくれて、「焼き芋美味しいね」と笑いながら帰ることができました。
あれから、2年半経ちました。
また冬になったら成長した娘を連れて、久しぶりにあの道の駅に行きたいなと思います。今度は1歳半の弟も連れて。
何があってもあの場所ならもう大丈夫と思えるから。
お兄さんの優しさのおかげで本当に心から救われました。本当にありがとうございました!
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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