「想像力の豊かさに驚き」 〝ふしぎな生き物の彫刻〟買った少女が泣き顔に...尊い理由に3.1万人ほっこり
大人には理解できて子供には理解できない、ということは沢山あるけれど、反対に「子供だからこそ感じられること」もある。
そんなことを感じさせてくれる「ほっこりエピソード」が、X上で注目されている。
こちらは、3本の足を持つ不思議な生き物のような作品「トリックスター」を生み出す彫刻家の浅野暢晴(@asanonobuharu)さんが2024年6月16日に投稿した作品の画像。
不思議な形の彫刻たちが、台の上に列をなしている。足が生えた彼らが並ぶさまは、まるでみんなで行進しているかのよう。
なんとも幻想的な雰囲気が漂う写真と共に浅野さんが呟いたのは、こんな出会いのエピソードだった。
「お母さんとニコニコで作品を選んでくれた女の子が、少し後で会ったらちょっと泣きそうな顔でいた」
笑顔だった女の子は、一体どうして泣きそうな顔をしていたのだろうか......?
「子供の想像力の豊かさに驚いた」
浅野さんは6月15~23日に群馬県中之条町の旧廣盛酒造で開催されているアートイベント「Art Fair NAKANOJO 2024」に参加中。
このイベントは、中之条町で隔年開催されている国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」への参加経験者を中心に47組のアーティストが集い、各々が作品を発表。それらを来場者が購入できるという、言わば「芸術作品の見本市」だ。
浅野さんも、イベント当日に自身の作品を紹介・販売する参加アーティストの1人で、投稿写真は展示の様子だという。
18日、記者の取材に応じた浅野さんは、その女の子との出会いを改めて語った。
「お母さんと娘さんの2人で一生懸命作品を選び、買ってくれた親子がいました」(浅野さん)
しかし、しばらくしてその女の子が泣きそうな顔をしているのを見つけ、浅野さんは彼女に理由を聞いてみた。
「どうしたの?と聞いたら、作品がすぐに渡されないことを知って、心配になってしまったらしい」(浅野さんの投稿より)
さらに、女の子は浅野さんの作品たちが自ら歩いて家にやってくるものだと思っており、「途中で車にひかれちゃわないか心配」と感じていたそうだ。
「子供の想像力の豊かさに驚かされました。そして、動かないはずの彫刻作品が、動くと思える様に生き生きと感じてもらえたことが嬉しかったです。
到着をとても楽しみにしてくれている様なので、早く届けてあげたいです」(浅野さん)
浅野さんはひとまずその場で、「そんな心配を吹き飛ばせる様に」と紙皿に絵と「待っててね」というメッセージを描いて渡してあげたという。女の子はニコニコの笑顔に戻ったそうだ。
大人になるにつれて忘れてしまった純真さや感性を思い出させてくれるような女の子とのほっこりエピソードに、X上では3万1000いいね(6月18日夜時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「何この可愛いエピソードは!」
「可愛いよぅその女の子に良き守りがつきますように」
「子供と一緒に本物の作品を見て選んでお迎えできるご家庭も素敵だなぁ」
「愛しい そのまま芸術に囲まれて育って欲しい」
「それだけ先生の作品から生命力を感じたってことですね」
浅野さんが生み出した不思議な彫刻達に出会える「Art Fair NAKANOJO 2024」は6月23日まで。
興味が湧いた読者は、足を運んでみてはいかが?
芸術作品だけでなく、それらと同じくらいに素敵な出来事が、皆さんを待っているかもしれない。