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「人生、たまには脱藩。」 高知県さん、観光客にとんでもない行為を勧めていた→その意図は?

井上 慧果

井上 慧果

2024.04.06 11:00
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高知県のキャッチコピーがあまりにもパワーワードすぎて、X上で話題になっている。

どういうこと?(画像は幣束(@goshuinchou)さん提供)
どういうこと?(画像は幣束(@goshuinchou)さん提供)
「人生、たまには脱藩」

である。強すぎるだろ......。

この写真は、Xユーザーの幣束(@goshuinchou)さんが2024年3月26日に投稿した1枚。

やはり、土佐藩を脱藩した幕末の志士・坂本龍馬にちなんでいるのだろう。当時はかなりの重罪だった「脱藩」をフランクに誘ってくるコピーに、幣束さんも「するか...脱藩...」とちょっと乗り気。

投稿にはX上で4万1000件を超える「いいね」のほか、こんな声が寄せられている。

「『たまには脱藩』って脱藩したら帰れなくなるけどいいんかwwwww」
「気軽にするもんじゃねぇw」
「ノリが軽いw」
「前例があるので2回までOK」
「高知もこう言うてるし許されるか...」

高知には「山曜日」や「川曜日」がある!?

29日、Jタウンネット記者の取材に応じた幣束さんによると、写真は25日夜に宿泊していた高知県内の旅館に掲示されていたもの。

「高知が坂本龍馬脱藩の道を観光や史跡として推してるのは知ってましたが、このキャッチコピーは思い切りが良すぎて笑ってしまいました」(幣束さん)

いったいどんな理由で、この力強すぎるコピーが誕生したのか。4月4日、高知県庁の職員が取材に応じた。

話題になっているのは高知県が2012年から実施している観光キャンペーン「リョーマの休日」の2021年度版デザインの1つだという。

2021年「リョーマの休日」キャンペーン(画像は高知県庁観光振興部提供)
2021年「リョーマの休日」キャンペーン(画像は高知県庁観光振興部提供)

同職員は、当時のキャンペーン事務局(高知県庁観光振興部)の担当者で、その時に高知県の観光は厳しい状況に直面していたと説明する。

というのも、19年までは大河ドラマ「龍馬伝」効果もあり、多くの観光客が訪れていたのだが、20年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で、訪れる人が減少したのだ。

そんな状況を打破すべく打ち出されたのが「あなたの、新休日。」という新コンセプト。「人生、たまには脱藩。」はその中で生まれたものだった。

脱藩にこめられた意図とは

「あなたの、新休日。」というコンセプトのもと、21年度のキャンペーンでは複数のコピーとデザインを製作。山曜日、昔曜日、味曜日、湯曜日......など、カレンダーにはない「新しい休日」があると打ち出した。

そこに込められていたのは、「高知の自然や食、歴史を感じて新しい自分に出会ってほしい」という思い。「たまには、脱藩。」は高知の歴史を感じてほしい「昔曜日」のものだ。

龍馬が脱藩をする際に通ったとされる「脱藩の道」で撮影したという。

「人生、たまには脱藩。」のポスター(画像は高知県庁観光振興部提供)
「人生、たまには脱藩。」のポスター(画像は高知県庁観光振興部提供)
「忙しくて大変な日々を過ごしていらっしゃる皆さんに、自然豊かなこの道を歩いて、当時龍馬の苦労や困難をも知って頂いて、少しでも気が楽になったり、頑張ろうと思っていただけたりすればとの思いで、このコピーが誕生しました」(当時のキャンペーン事務局担当者)

パワーワードの裏にそんな優しい気持ちが隠されていたなんて......。とんでもない行為を気軽に進めてくる恐ろしいポスターだと思ってしまって申し訳なかった。

ちなみに、ポスター上のキャッチコピーは県庁職員が案を出し、外部のアドバイザー等からの意見をもらいつつ決めていったとのことだ。

高知には、「味曜日」もある(画像は高知県庁観光振興部提供)
高知には、「味曜日」もある(画像は高知県庁観光振興部提供)

「あなたの、新休日。」がコンセプトのキャンペーンはすでに終了しているが、「気に入って頂いているお店等では今もポスターやのぼりを置いて頂いているみたいです」。

忙しない日々に疲れたときは、あなたも高知に「脱藩」しに行ってみてはいかがだろう。

話題のポスターにも、出会えるかもしれない。

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