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日本の原風景が、ここにある 「住みたい田舎ベストランキング」第1位・岐阜県恵那市のポスターが素敵すぎる件

松葉 純一

松葉 純一

2024.04.02 08:00
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2023年3月13日、X(旧ツイッター)に投稿されたポスター画像に、記者の目は奪われた。

恵那市移住定住推進室のポスター 「Atsushi Kobayashi/建築士と写真家」(@atsushi_k_photo)さんの投稿より
恵那市移住定住推進室のポスター 「Atsushi Kobayashi/建築士と写真家」(@atsushi_k_photo)さんの投稿より

「ありのままで暮らす」というキャッチコピーと共に、朝焼けと満天の星空、それぞれの美しい光を浴びる棚田が上下に並んでいる。

まさに"日本の原風景"と言いたくなる。思わず郷愁に駆られ、「故郷にこんな景色あったかしら」と記憶を辿った人も、読者の中にきっといるだろう。

ポスターの左下に書かれている「恵那市」は、岐阜県南東部に位置する市だ。

この素晴らしい景色がある恵那市とは一体どんな場所か。

Jタウンネット記者は、写真を撮影した小林淳さんと岐阜県恵那市役所に話を聞いた。

四季折々の素晴らしい棚田の風景

小林さんは、「写真×地方創生」をコンセプトに掲げスチール撮影やデザイン制作などを行う企業「オフィスK」(岐阜県各務原市)の代表。美しい棚田のポスターは、移住先としての恵那市の魅力をアピールするために、市の依頼によって作られた。

写真の撮影場所は、「日本の棚田百選」にも選ばれた「坂折棚田」。恵那市最北部、笠置山の西北麓に位置し、標高410メートルから610メートルの山の斜面に、360枚の棚田が扇状に広がっている。

坂折棚田(画像提供:恵那市観光協会提供)
坂折棚田(画像提供:恵那市観光協会提供)

坂折棚田は小林さんにとって、大切な場所だという。

「写真家として活動を始めた12年ほど前から、ライフワークとして撮り続けている思い入れのある場所で、何度も通っています」(小林さん)

オレンジ色に染まっているのは、2016年8月の朝の空。稲が青々と育った夏の風景だ。日差しをいっぱいに浴びて、なんとも清冽な印象を受ける。

無数の星々が輝いているのは、2022年5月の深夜1時頃。田植え前、水が張られた水田に、天の川が反射している。満々と水をたたえた、荘厳で、瑞々しい光景だ。

「坂折棚田には、日本の原風景を感じる絶景が広がっていて、四季それぞれで素晴らしい光景を見せてくれます」
「特に私が好きなのは、田植え前(5月初旬くらい)の水を張った状態の時です(下の写真)。朝日を狙うことが多いのですが、この日は晴天だったので深夜に現地入りし星空を撮影しました。天の川や、田の水面に星がリフレクションしている光景まで撮影できて感動しました」
「また上の写真は、青々と成長し始めた稲と朝日を撮影したものですが、1日の始まりで希望を感じるような一枚を撮影できたと感じています」(小林淳さん)

豊かな自然と歴史あるまち

Jタウンネット記者の取材に応じた移住定住推進室によると、ポスターは恵那市が月刊誌「田舎暮らしの本」(宝島社)で「2024年第12回住みたい田舎ベストランキング」の「人口3万人から5万人未満の市」の総合部門で、第1位に選出されたことをきっかけに制作された。

「住みたい田舎」という称号を得たことを市民、そして市外の人々にも積極的に告知したいと思ったのだ。

同市は総合部門だけでなく、「子育て世代が住みたい田舎部門」「シニア世代が住みたい田舎部門」でも第1位を獲得。これも恵那市にとって初めてだったという。宝島社のプレスリリースを見るに、子育て支援の拡充や、歴史や食文化・自然など豊富な地域資源を生かした取り組みなどに力を入れてきたことも、評価につながったらしい。

ポスターに写真が掲載された「坂折棚田」の他に、恵那市の見どころといったら何でしょうか? と尋ねたら、「恵那峡ですね!」と、即座に答えてくれた。

恵那峡さざなみ公園 春(画像提供:恵那市観光協会提供)
恵那峡さざなみ公園 春(画像提供:恵那市観光協会提供)

恵那峡は木曽川中流の大井ダムによって形成された人工の渓谷だ。屏風岩、軍艦岩、獅子岩、鏡岩など奇岩が多く、それらを見物するための恵那峡クルーズの人気が高い。2024年は大井ダム完成100周年記念ということで、「恵那峡さくらまつり」(3月30日・31日)も開催される。

また、歴史好き・お城好きにとって見逃せないのが、岩村城だ。

岩村城の六段壁(画像提供:恵那市観光協会提供)
岩村城の六段壁(画像提供:恵那市観光協会提供)

岩村城は、大和・高取城(奈良県)、備中・松山城(岡山県)と並ぶ日本三大山城の一つ。江戸諸藩の府城の中でも最も高い所(標高717メートル)に築かれている。高低差180メートルの地形を利用した要害堅固な山城だ。

城下町である岩村町本通りは、重要伝統的建造物群保存地区に選定され、江戸時代後期の町家建築が残されている。2018年のNHK連続テレビ小説「半分、青い」のロケ地の一つでもある。

重要伝統的建造物群保存地区である町並み(画像提供:恵那市観光協会提供)
重要伝統的建造物群保存地区である町並み(画像提供:恵那市観光協会提供)

気になったら、行ってみよう

恵那市は豊かな自然に恵まれているだけでなく、大都市・名古屋から車や電車で約1時間の距離という、アクセスの良さも併せ持つ。

「名古屋近辺に通勤される方も徐々に増えているようです」と恵那市役所担当者は語る。ネット活用で仕事をしている人も多くなってきたと感じているそうで、仕事をつづけながらこのまちに住む、というのもアリなのだろう。都会で働く移住希望者には、ありがたい条件だ。

恵那市移住定住推進室のポスター 「Atsushi Kobayashi/建築士と写真家」(@atsushi_k_photo)さんの投稿より
恵那市移住定住推進室のポスター 「Atsushi Kobayashi/建築士と写真家」(@atsushi_k_photo)さんの投稿より

そんな恵那市に住みたいと思う第一歩になりそうな美しいポスターは、全部で100枚作られた。恵那市内各地の出張所や首都圏などの移住相談施設などに掲示される予定だという。

「住みたい田舎ベストランキング」第1位の町とは、いったいどんなところか。知りたくなったら、ポスターのある場所を訪ねてみてはどうだろう。住みたくなってしまうかもしれないが......。

ちなみに、恵那市は「栗きんとん」や「五平餅」も美味しいらしい。

恵那の栗きんとんについては、【こんなに個性豊かとは! 百貨店スタッフが作った「栗きんとんマトリックス」に反響「夢のようなチャート」「全部制覇してみたい」】もどうぞ。

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