「金ちゃんヌードル」の味を焼そばで完コピ! 発売50周年記念商品が「さすが本家」の仕上がりだった
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百二十九回 徳島製粉「金ちゃんヌードル味焼そば」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百二十九回目となる今回は、徳島製粉のカップ麺、「金ちゃんヌードル味焼そば」をレビューします。
徳島製粉の看板商品「金ちゃんヌードル」の味をカップ焼そばで再現したものです。
「金ちゃんヌードル」発売50周年記念商品
「金ちゃんヌードル」を手掛ける徳島製品の商品は四国や中国地方を中心に主に西日本で販売されており、四国の他に静岡県と沖縄県でも多くの人に親しまれています。
「金ちゃんヌードル」は1973年に発売されたロングセラー商品。世界初のカップ麺として知られる「カップヌードル」の発売が1971年なので、それと2年しか違いません。
また、東洋水産の「赤いきつねと緑のたぬき」の前身となる商品や、サンヨー食品の「カップスター」の発売が1975年なので、「金ちゃんヌードル」はそれらの2年先輩。いかにロングセラーなのかがわかるかと思います。
今回レビューする「金ちゃんヌードル味焼そば」は、大ロングセラー「金ちゃんヌードル」の発売50周年記念商品として発売されました。
「金ちゃん」ブランドにはすでに「NEO金ちゃん焼そば復刻版」という懐かしいソース味で人気の商品がありますが、今回の商品とはそれとは違い、「金ちゃんヌードル」の醤油味のスープの味が再現されています。
「金ちゃんヌードル味焼そば」の内容物
「金ちゃんヌードル味焼そば」の内容物は、麺と別添袋2袋「粉末ソース」と「かやく」。
「金ちゃんヌードル」も麺と別添袋2つ「スープ」と「かやく」が入っています。
麺量は「金ちゃんヌードル」の72グラムに対し「金ちゃんヌードル味焼そば」は90グラムで、カップ焼そばの標準的な量。
お湯を入れる前に先入れの袋を麺の上に開けた状態。
「かやく」の袋に入っているのは、エビ、豚肉、たまご、椎茸で、ネギは「金ちゃんヌードル」のみに入っていました。
具のボリュームは「金ちゃんヌードル」の方がありそうです。
「金ちゃんヌードル」はこんな商品
先に再現元の「金ちゃんヌードル」を見ておきましょう。
こちらはスパイスを効かせた醤油味のスープにエビやたまごなどの具が入った、"カップヌードルインスパイア"の元祖のような存在。醤油味やスパイス感が「カップヌードル」より強くハッキリした味わいで、麺量は「カップヌードル」より多めです。
一方で具のボリュームは、エビや謎肉がたくさん入った「カップヌードル」が優勢。
それでも「金ちゃんヌードル」の具も十分に多く、特にエビの量は満足感が大きいです。
【「金ちゃんヌードル」と「カップヌードル」の比較記事はコチラ】
その味がカップ焼そばでどのように再現されているのでしょうか。
徳島製粉「金ちゃんヌードル味焼そば」食べてみた
ソースは醤油味ベースの粉末で、液体ソースに比べると麺と混ぜ合わせるのに一苦労あります。そしてその味は「金ちゃんヌードル」の味にさらにパンチを加えて焼そば仕様に仕上げています。
さすが本家が本家の味を再現しているだけあって、醤油の濃さやスパイスの強さは違っても基本的にはほとんど同じ味。
実際、粉末の段階で両者をちょっと舐め比べてみましたが、違いがわからないほどよく似ていました。
普段東日本にいて「金ちゃんヌードル」を食べ慣れていない身からすると、ひとくち食べて最初に思ったのが「カップヌードルの味だ!」でした。
「カップヌードル」味の焼そばだと思って食べてもきちんと成立する味です。
今後出るかはわかりませんが、「カップヌードル」がカップ焼そば化されたらきっとこんな味なのでしょう。
麺も「金ちゃんヌードル」そのもの
麺は中細で縮れのついた油揚げ麺。
湯戻し前は「金ちゃんヌードル」の麺よりひとまわり太く見えましたが、湯戻し後はほとんど違いがわかりません。
ややソフトでふかふかした食感も共通していました。
ソースだけではなく麺も「金ちゃんヌードル」そのものの感が強かったです。
具は、たまご、エビ、豚肉、椎茸、ネギが入っています。
「かやく」の袋には入っていなかったネギは「粉末ソース」に入っており、これで入っている具は「金ちゃんヌードル」と全部同じ。
具の量は「金ちゃんヌードル」に比べて見劣りします。特にエビがかなり減ってしまっており、豚肉もやや少なめ。
反面、たまごは「金ちゃんヌードル」よりたくさん入っていました。
名実ともに「金ちゃんヌードル」味のカップ焼そば
「金ちゃんヌードル」味のカップ焼そばは、思いのほか「金ちゃんヌードル」の味そのもので、さすが本家が本家を再現しているだけのことはありました。
また、普段「金ちゃんヌードル」を食べておらずあまり思い入れのない人でも、「カップヌードル」味のカップ焼そばと置き換えて楽しめる商品です。
カップ麺に留まらず、ここまで味を完コピしている商品はあまりないのではないでしょうか。