エッチなイラストを見てから座禅体験...だと? 京都のお寺が実施する「煩悩展」が斬新すぎる
人間の根本的欲求と向き合う
小坂さんによると、ことの発端は3年前。神社仏閣と企業とのコラボ事業の運営などを手掛ける「神社仏閣オンライン」(京都府京都市)からの持ち込み企画で、Vライバー(※)ファン向けに寺を舞台にした宗教体験を交えた京都観光ツアーを実施したことがきっかけになった。
「その際、ふだんは宗教やお寺に関心のない人たちでも、好きな少女絵や推しの絵師さんという切り口があれば、宗教体験をハードルなく参加してくれるということを感じました。
また、参加した後の声としても好評で、宗教体験そのものの持つコンテンツとしての魅力を再確認しました」(小坂さん)
この経験から、宗教とは縁が薄かった層に届く企画をまたやってみたいという思いが生まれ、「煩悩展」に繋がったという。
(※)バーチャルキャラクターを用いて顔出しせずにライブ配信活動をする配信者
「煩悩」をテーマに選んだのは、宗教者としての務めの1つである悩み相談の中で、「我々が苦しむのはなぜか」「そもそもどのような仕組みで苦しみが生まれるか」を一緒に考えることが多かったから。
「苦しい思いをしている時に、ふだん意識していなかったことに目を向けたり、悩みとの共存を意識したりするようになれば、苦しみを乗り越えたりやり過ごしたりすることの一助になると考えました」(小坂さん)
「煩悩展」ではこの考え方を中心に据え、「性」「食」「眠」といった人間の根本的欲求にまつわって起きる煩悩と向き合うことで、それらとの付き合い方を知ることを目的としているという。