「車椅子の私がホテルでタクシーを頼むと『バスで向かわれてはどうですか?』。停留所に来たのは満員のバスで、乗客たちが...」(岡山県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Mさん(岡山県・50代女性)
Mさんが好きなアーティストのライブに行くために、県外を訪れた時のことだ。
会場に行くため、宿泊したホテルのフロントでタクシーを依頼すると......。
<Mさんの体験談>
私は重度障害者で、外出の時は車椅子を使っています。
私の忘れられない思い出は、推しのライブのために県外に遠征したときのこと。友人と駅近くのホテルに宿泊し、ライブ当日にフロントでタクシーを呼んでほしいことと、行きたい場所を伝えました。
「お時間に余裕があるようでしたら...」
すると、ホテルのスタッフに「お時間に余裕があるようでしたら、バスで向かわれてはどうですか?」と提案されたのです。
車椅子でも利用できるのか尋ねると、市内のバス全てが車椅子で利用可能とのこと。バス停の場所や行き方を教えてもらいました。
不安はありましたが、私はバスを利用してみることに。停留所で待っていると、やってきたのは満員のバスでした。
次の便を待つつもりでいたのですが、5人ほどの乗客が、何のためらいもなく降りてきて、
「バスはすぐ来るので自分たちは次のに乗ります」
と譲ってくださったり、何人もの方が手伝ってくださったり、膝の上に乗せていた荷物を持ってくださったりして、あっという間にバスに乗り込むことが出来ました。
「付き添いの人には...」
申し訳ないやらありがたいやらで「すみません、付き添いもいるのに」と言うと、
「付き添いの人には僕たちが居ない時に手伝ってもらえばいい」
と言ってくださったんです。
ホテルの方からはじまり、沢山の方の善意のおかげで、素晴らしい旅になりました。
生涯忘れることのない思い出です。
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Jタウンネットでは読者の皆さんが経験した「旅先いい話」を募集している。
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(※本コラムではプライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)