「出張中、自宅の近くで火災発生。逃げ延びた家族によると、近所の高校生たちが...」
「すぐに逃げてください!」
三男の連絡を受けた妻は慌てて高速道を降り、自宅へと来た道を急ぎました。
それから約20分後、最寄りのインターに着いた時に自宅方向に目をやると、上空では消防ヘリが旋回。その下には真っ黒な煙が大きく立ち昇っていて、妻は「もううちの家は助からないな」と覚悟したそうです。
しかし、熱で窓ガラスが割れるなどの被害はあったものの、懸命な消化活動のおかげで、幸いにも我が家への類焼は免れました。
あとで聞いた話では、この火災は工業高校に隣接する住宅街で発生したもので、当時午後の授業中だった同校の生徒さんが火事を発見したとのこと。
授業を中止し、先生の指揮の下に生徒さん達が手分けをして、火の迫る我が家をはじめ近隣のアパートなど一軒一軒のドアを叩き
「火事です! すぐに逃げてください!」
と、大声で避難を呼びかけて回ってくれていたそうです。